ユビ

@k_aoki

第1話

 お? 壁があるゾ?

★☆にょきにょきっ☆★

「あら、〇〇君、こんにちは。今日は何のご用件ですか?」

「は?」

「ですから、何のご用件でしょう」

「は?」

「からかっていらっしゃるのなら怒りますよ。ぷんすか。何の用事もなしにここに来るなんて、あり得ません。いやあり得るかもしれません。あなたがこの壁をすり抜ける程度の天文学的な確率で」

「は?」

「日本語、分かります? もしかして宇宙人?」

「は?」

「は?」

★☆にょきにょきっ☆★

「これは何だと思いますか?」

「は?」

「もしかして、目がお悪いようで?」

「は?」

「これは何だと思いますか?」

「は?」

「物わかりの悪い人は大っ嫌いです!」

「は?」

「はぁ」

★☆にょきにょきっ☆★

「いつまでここにおられるので?」

「は?」

「は?」


 私は壁から生えた指をいくつか失敬して塩をまぶして食べました。

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