「ときめき草」(日向坂46)

 ときめき、というのは不思議な響きだ。

 ときめきが「咲く」と「恋の花」が咲くという詩情が、何とも味わい深い。文章表現としてありとあらゆる表現者が「恋」や「愛」を描写して、ある時にはバラバラに解剖するし、ある時には違うものと結びつける。もしくは薬物に浸すように変質させることもある。この「恋情」、「愛情」の発生や発展、結末は、きっと万民が等しく経験することで、だからこそ表現者が避けては通れないように思う。この問題、テーマは最も広く受け入れられるけれど、最も難解で、最も多岐に渡る、巨大なテーマなんじゃないか。

 僕は表現者としては未熟だし、何の能力もないけれど、この曲の言葉選び、言語表現は本当に好きだ。曲との噛み合わせも好みです。

 日向坂46の曲としてはそれほどピックアップされないかもしれませんが、この曲はアルバム「ひなたざか」の通常盤ではグッと真ん中を引き締めているようで、その中のバランスも取れる良曲では。ちなみにこのアルバムの通常版はシングル曲を最初に順番通りに並べていて、これは挑戦的な曲順にも思えるけど、むしろこういう並びは面白く感じる。そういう企画ができるのが、この複数のタイプを作って発表する手法の優れた点ではある。経済的にはだいぶ堪えますが……。

 いや、お金の話をするのが下世話でしたね。失礼しました。

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