けもの怪盗団調査本部(休載中)

帽子の男

プロローグ 怪盗団特別調査本部

怪盗団特別調査本部。


そこは近年日本中を騒がせている正体不明の怪盗団を調査し、逮捕する事を目的としている調査室だ。

そんな調査室の刑事、コンは今日も怪盗団を追い続ける……


~とある美術館~


警察達が閉館した美術館を巡回している。


「情報によると、今夜この美術館に怪盗が入るらしい」


オリーブ色のコートを羽織ってその下にはシャツとネクタイを締めた刑事、コンが警察官達に説明する。


「狙われるのは恐らくここの目玉展示品……」


後ろを見て皆に見せる。


「アヌビス神の涙、この宝石だ……高純度のサファイヤ、3億円は下らないだろう」


「一応、警備システムは健在、ガラスは防弾、床には人感センサー、赤外線レーザーが蜘蛛の巣のごとく張り巡らされてるよ」


手にタブレットを持った白衣を着た男が出て来て言う。


「調査ご苦労、メガネ、それで予告時間まで何分だ?」


メガネは時計を見る


「あと5分、それと僕たちは部屋の外に出ないと……」


「ああ、警備システムに引っ掛かると神経ガスが放出されるんだったな」


「うん、さて扉の外に……」


全員が扉の外に出た瞬間だった。


パリーン!


天窓を割って2人の人物が入ってきた。


「馬鹿め!そこはトラップの……ってあれ?」


トラップはウンともスンとも言わなかった。


「こ、コン!ハッキングだっ!」


「なにっ!クソッ!突入!突入!!」


ドアを開けようとするが……


「警部っ!開きませんっ!」


ドアにはロックが掛かっていた。


「じゃーねー警察官諸君!フハハ!」

「アヌビス神の涙は頂きだっ!」


そう言うと同時に横の廊下へ走り出した。


「クソォ!どけっ!」


コンが銃を取り出しドアの鍵部分を打ってドアをこじ開ける。


「行けっ!捕まえろっ!」


『了解!』


警察官達が2人の怪盗を追う。


「コン、僕たちは?」


「屋上だ、ああゆう奴等は大抵屋上から逃げるもんだあと、俺だけで構わない、お前は応援を呼んでくれ」


「解った、気を付けて!」


「任せろ」


コンはそう言うと走り出した。


~美術館屋上~


「止まれ、警察だ」


コンは2人の怪盗に銃を向ける


「あっちゃー…」



「敵。やばそうだよ」


怪盗はどうやら仲間と通信を取っているらしい。


「おー…銃まで構えちゃって…」


「俺は君たちを止める義務がある」


コンは引き金に指をかける


「でしょうねぇ。警察だもの」


「これまで、何回も逃げられてる」


「そうだね?」


「そして今回も逃げられようとしている…」


「…(くっ、舐められてる)」


「今回は逃がさん!」


「…そっか」


コンは手錠を取り出して近づこうとする


しかし、


「「了解!」」


と怪盗二名が言うと同時に距離を詰めてきた


「何をっ!」


コンは1発発砲、しかし、躱される


「これはお土産だ!」


1人が玉を投げ、煙を出す。


「なっ!?」


「じゃあな!」


「くそっ…」


そして怪盗は屋上から落ちる


(自殺?いや、キャッチされたか)


怪盗は逃げようとする。その後ろ姿を見てコンは声をかける。


「…怪盗!君たちの名はなんだ!?」


「…リバースワールド…そう呼べ!」


「リバースワールド…」


その声を最後に彼らは闇に消えた。


コンはトランシーバーを取り出して指示を出す


「マル被南西方面に逃走、捜索願う」 


「了解、マル被南西、パトカーとヘリを手配する」


コンはトランシーバーをコートの下に入れ怪盗達の逃げていった方を見下ろす。


すると、腕時計の時間と美術館の時計の時間がが僅かにずれていることに気づく。


「……成る程、今回も、1杯食わされたって訳か」


街にはパトカーのサイレンの音が響いていた。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

~翌朝~


「またもや、怪盗です」


テレビアナウンサーが言う


「昨夜午前0時に美術館に怪盗団、リバースワールドと名乗る犯行グループが侵入し、高純度のサファイヤ、アヌビス神の涙を盗難しました、調査関係者の取材によると……」


コンはテレビをみながらコーヒーを飲み干す


「必ず捕まえて、罪を償わさせてやる待ってろ、リバースワールド」




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