第3話 能力とステータス確認
出発の日、オレは白孤の転移スキルで再び異世界へと来た。オレ達は何にもない森の中にいた。
『お前さんに授けた
「へっスキル?」
『とりあえずステータスを開いてみよ』
「どうやって?」
『視界の端にアイコンがあるじゃろ、それにお主の意識を集中すんじゃ』
視界の左端にあるマークへ意識を集中するとピコーンと軽い音がした。
するとまるでARのように視界に大きくアイコンが表示され、さらにアイテム、ステータスと表示が出てきたので
ステータスを開く。
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種族 人族
クラス 町人
レベル 7
HP81 MP39 SP46
攻撃27 防御25 敏捷60
ユニークスキル
【進化促進】
スキル
探索、言語変換、外貨両替
装備
ダウンジャケット、ジーンズ、スニーカー
進化:条件を満たしていません
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うわっなんかRPGのゲームみたいだな
つーかなんでいきなりレベル7なんだよ?
そうかこの前来た時に白孤が木の魔物を倒した経験値を得てレベルが上がってるのかもな!
あとさっきステータスをいじってみて気づいたことがある。
まずは
町人って何だよ。思いっきり一般人じゃねえか(笑)
出来れば勇者とか賢者がよかったな〜
そして
【進化促進】
パーティに入った者に対して一定の条件を満たす事により通常より高い経験値を得る事などが出来るユニークスキルだそうだが一体何がユニークかんだかよく分からねえけど?
【探索】
コレはどうやら対象物をマップ表示出来るスキルらしい、これはなかなか便利かもな。
試しにスキル【探索】を使ってみると自分の現在地がマップ表示された。
「うおっこりゃ便利じゃねえか町とか探すのに使えるんじゃねえか!」
マップの下にネットの検索欄みたいなのがあるので頭の中で『オレの両親の場所!』と念じてみると画面が遠くに移動して2つの丸い緑色の点がチカチカと点滅しているのでなんとなく指で操作してマップをひろげてみたら現在地からの距離を確認することが出来た。
「な……なんかスマホやタブレットみたいだな」
『ほうほう、なるほどのう。それがお前さんの両親のおる場所なのじゃな、しかし遠いのうここからじゃと馬車で80日ほどと言ったところかな』
えっ白狐にもこの表示がみえるのかよ、つーかこの世界って車とかないの?
『そんなモン馬車しか走っとらんこの世界にあるわけなかろう。それよりも画面をひとつ戻してアイテム欄を見てみよ』
白狐に言われた通りにアイテムと表示されている所に意識を向けると、能力札、マジックバッグと表示があったので開いてみると……
「要するに使いっきりの戦闘用のアイテムか」
『非常時向けの道具じゃ、これからの旅先ではおそらく魔物供と遭遇する事もあろうからのう、その札を有効に使うが良い』
「やっぱり魔物がいるのかよ」
『そうじゃ、この世界には魔物がおる。あと人間以外にも亜人といわれるエルフやドワーフ、獣人などの様々な種族がおり、そのほかに精霊や魔法も存在するぞ。そんな事よりももう一つの道具も見てみよ』
「そんな事って……」
『そこにはお前さんが元の世界で所有していた物がすべて入っておる。あとおまけにコチラの世界のアイテムも少しだけサービスしておいたぞ。
それらも札同様、ワシからの餞別としてくれてやろう』
「えっ白狐もこっちの世界にいるんじゃねえの?」
『いやワシは元の世界に帰るのじゃ。だがまあ3ヶ月後の迎え以外にも時々お前さんの元にひょっこり現れるかもしれんがのう……ふふっ…では異世界旅行を楽しむが良いぞよ』
そう言い残して白狐はオレに手を振ってスッ——と消えていった。
とりあえずこの世界に3ヵ月ほど滞在して両親を探してみる事にしたけどさてさてどうするかな?
まずは日が暮れる前に村などを探そう。
オレはさっそく
「さて異世界初走り行ってみるか!」
ブルルルルルルッ!と音を立てて原付で山道を駆ける。
とはいっても30km/h程度のノロノロ運転だけど
それでもこっちの世界では速い方なのか山中で様々な生物とすれ違ったが特に襲いかかって来ることもなく、エンジンの音に驚いて逃げていく。
実際に見てよく分かった。確かにこの世界には、魔物、あるいはモンスターと呼称されるモノが多数存在しているという事が……
そして……おそらく、人間であったであろう骨や、まだ原形をとどめてはいるが、この世のもので無くなってしまった人たちもそこらへんに転がっていた。きっと魔物に命を奪われたのだろう。
恐ろしいことにそんな日常がこの世界には溢れているのだ。
「こりゃずいぶんとワイルドな世界だな!」
突然、少し離れた所から悲鳴が聞こえて来た。
人の声だ。
危険かと思ったが初めての人の声だ。オレは原付のエンジンを切って
村人と思わしき少年が攻撃を受けて倒れている。そこに三匹のデカイ狼みたいなのがものすごい勢いで襲い掛かろうとしていたが少年は出血がひどく、すでに虫の息で起き上がる事もできずに震えていた。
「パキッ」
うおっやべえ落ちていた枝を踏んでしまい音を立ててしまった。
「ガルルルル……」
するとデカイ狼どもは音に反応してこちらへと向きなおり襲いかかって来た。
ハア、何コレ!すっげえヤバくねえかこの状況……
異世界来ていきなりピンチなんだけど!
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