Flame Star!

アスキ

前書き

はじめに

人類は道具を作りだし、類人猿から脱却したかのように見えた。

しかし、道具は使用者の精神を体現するものであるから、人類の本質は類人猿から変化していないということを証明してしまった。

人間が地球を牛耳るほどに賢しい生物であると主張するのであれば、武器は必要ないのである。

もちろん、見知らぬものを警戒し、不安をおぼえるのは生物として優れた行動であるといえる。

これは地球上の生物の多くが持ち、自らと異なるものであれば、他種族だけでなく、同族にまでも敵意を向けるという融通のきかない力である。

これは極めて矮小な話であるが、生物というのは根幹が同じであれば、同一の形質をもつことがあるということだ。

この広大ではるかな宇宙の中で争いを起こすのは、地球生物だけではなかったのである。

けれど、数千年、数億年と種を存続させても他種族と分かり合うことのなかった卑小な生物には、外へ意識を向ける余裕などないのである。

だから、これから語る話は、多くの者が関知しないことだ。

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