第28話 ラー・メンマの驚愕の正体
「ぅ……」
私が助け起こすと、ラー・メンマの口からは小さなうめき声が洩れ出でた。
「しっかりして、ラー・メンマ。傷は浅いよ!」
「うぅっ……す、ステラちゃん……」
「なに? って? ん? あれ? その呼び方……わたしをシャイニング・プリンセス・ステラじゃなくて、ステラちゃんだなんて……それによく見ると、なんだかどこかで見たことがあるような……むむむっ、もしかしなくても……メンマちゃん?」
「今ごろ気づいたアルか……ステラはほんと大物アルネ……」
「ええっ!? 謎の正義の味方ラー・メンマは、実は中国からの留学生リャン・メンマちゃんだったの!? うそぉっ!?(;´・ω・)」
衝撃の事実発覚に、わたしは心の底からビックリしていた。
1989年にサンゴに「KY」という文字が掘ってあり、日本人のモラル低下が嘆かわしいと報道した朝日新聞の社員が、実は自作自演で文字を彫り捏造報道していたことが発覚。
メディアの在り方に対する全国的な社会問題になって、最終的には朝日新聞社長が引責辞任することになった時くらいにびっくりしたよ!
「そんなことより、ワタシのことは放っておくアル……ワタシはもう動けないアル……ここにいたら、ステラちゃんまで魔獣キングにやられるアル……」
「なに言ってるの。放っておけるわけないでしょ」
「ワタシが勝手に一人で戦って、敗れて、その結果こうなっただけのことアル。ワタシの選んだ結果に、ステラちゃんまで巻きこめないアル……」
メンマちゃんは全てを諦めたかのように、力なくそう言った。
でもね!
「メンマちゃんは友達だもん。だから助けるの! 友だちは絶対助けるもん!」
「ステラちゃん……だめだよ、逃げるアル……」
「ううん、逃げないもん!」
「逃げると言ったら逃げるアル……魔獣キングは強すぎるアルヨ……」
「相手が強いとか関係ないもん! わたしがメンマちゃんを守りたいから守るの !それがわたしの――シャイニング・プリンセス・ステラの正義だから!」
「ステラちゃん……でも……」
「だってメンマちゃんが教えてくれたんだよ? その時その時で、自分が正しいことをしなさいって」
「あ――」
「だからそこで見ていてね、わたしの正義が勝つ瞬間を――!」
わたしの中で
わたしは本日2発目となる蕎麦・荷電粒子砲を、魔獣キングに向かってぶっ放した。
もちろん全然効いてない。
「でも、そんなの関係ないもんね! てりゃーー!」
わたしはさらに3発目、4発目と、
そんなわたしたちのところへ、アスカムーンも合流する。
そして言った。
「ラー・メンマ、酷いありさまね」
「ふん……嫌味を言いに来たアルか?」
「やれやれ、ボロボロの割に意外と元気そうじゃない。だったらひとつだけ言わせてもらおうかな」
「ちょ、ちょっとアスカムーン、こんな時にまでケンカしないでくださいよぉ!?」
わたしは慌てて仲裁しようとしたんだけど、
「ラー・メンマ。改めてお願いするわ。あなたの力を貸してちょうだい。」
アスカムーンはしっかと頭を下げたんだ。
「……なんのつもりアルか?」
「なんのって魔獣キングを倒すために、あなたの力を貸してほしいのよ。私とシャイニング・プリンセス・ステラだけじゃ、あの強大な魔獣キングには勝てないから」
「だってワタシは、アスカムーンの正義をあれだけ偉そうに否定したアルのに……」
「小異を捨てて大同につく、それは私にだって言えることよ。今は禍根は捨てて、みんなで力を合わせる時じゃないかしら?」
「……」
「お願いラー・メンマ。あなたの力が必要なの」
アスカムーンがもう一度、頭を下げた。
「メンマちゃん、わたしからもお願いっ! 力を貸してくれないかな?」
もちろん、わたしも必死にお願いをする。
すると、
「ステラちゃん……。ねぇアスカムーン、1つだけアスカムーンに質問していいアルカ?」
メンマちゃんがぽつりとつぶやいた。
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