第60話 村上春樹が分からんぞい

ノーベル文学賞では毎年、誰が受賞するんだと文学好きの中では話題になっている代物だ。日本ではいつも有力候補だと村上春樹の名前があがり、そしていつも違う人が受賞して終わるという流れが風物詩になっているように思われる。私はもう村上春樹を持ち上げるのは止めよう、もう取らねえだろうという失礼な考えを持っている。もしかして村上春樹を利用して、ノーベル文学賞や他の小説に注目して欲しいってメディアの戦略に使われてるだけならちょっと可哀想な気もするけど、メディアもさぁ…いい加減、他の候補に移せよと思ったりもする。村上しかいないのはおかしいでしょ?


これは全作を積極的に読んでいる訳でもない、基本的に村上春樹が好きじゃない奴の話なんで注意してくださいね?いやね、ノルウェーの森だとか世界で翻訳されているし、短編集でみられるあのSF(少し、不思議)な感じは好きだ。だけどさ…なんだコイツってなってしまうんですな。なんか私の認識だと彼の作品には、孤独を背負った男が出て来る訳なんだけど、そいつの孤独に全く共感出来ない。なんか大げさな表現で色々と心情を語るが、形だけのファッション孤独。なんでこんな事如きで孤独になってんだ?むしろわざと酔っている感じがするので、健康だなと感じている。


私はなんか感化され過ぎて、バーで赤線や付箋の入った受験対策みたいな小説を片手に、小説でよく出て来る酒や食べ物も用意してるハルキストってのがいるけど、あれはある意味で痛い病気で、そこまで夢中になれるのは素晴らしい事なんだけど健康です。あんな孤独に共感出来ている時点で大丈夫です。不幸自慢をしたい訳ではないけれど、ちょっと浅いです。


そんな浅い主人公、心に穴や闇を抱えていた男が、バーに行くんですよ。オシャンティ―な曲の掛かるバーに酒やらチーズを摘みに。あんね、孤独だった奴は引き篭もるんですね。こんなの余裕のある神経がある奴の行為です。んで、そんな奴にいつも訳の分からん女が寄って来て、例えまくりの会話をしてあっさり性行為までする。性行為まで例えまくりです。比喩や隠喩を言わないと死んじまうのか?と思いたくなります。とにかくふわふわーなムードだけでスラスラ進んじまう世界。ある種の読みやすさはあるけど、なんか…うーんと私を唸らせてしまう。こんなん、エロ本やギャルゲーやんけ!と思ってしまいます。だったらそっちの方読みますプレイしますに気持ちが動きます。多分ね、ハルキストは遠回しにエロい事をしたい健全ムッツリストなんだと思うのです。


この事からも分かる通り、私もハマれる可能性はありながらもアンチ側でいるわけです。もう1つはまれそうな根拠として、ここ最近の古谷実がそんな漫画ばっかり描いているからです。そして私はそれを読んでいるから。でもハマれないのは、上でも言った通りの内容に+村上春樹が好きよりも濃い、ハルキストの様子を見せるからだ。あんなん見せられたら小説関心ない奴からみたらさ、気持ち悪く思われるからやめといた方が良いのにね。


でもね村上春樹の話は無視して、比喩や隠喩というもので高跳びをした時に、高く飛べる言葉だと本当に思っていて、詩でなんか行き詰った時に辞書として引いたりもする。手を付ける前に殆どが誰かの詩を読んで解決してしまうから滅多にないけどね。

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