第56話 リスク背負ってんだよこっちは

10月8日の話である。正直な話、患者さんが来なくて気持ちが腐れている。9月は25日営業して4日間だけ0人の状態だった。今月はもう4日も0人の日がある。なんなの?記念すべき1周年に口裏合わせて来ないように仕組んでんのか?と陰謀を疑いたくなるような気分だ。こんな中で銀行からの利息が一気に跳ね上がった。最初は大変だからと抑えた設定にしてもらったけど、これからは容赦なくぶんどられて行く。保険やら年金やら日々の支払いもある。憂鬱である。


スポンサーも何してんだ?って気持ちが強くなっている。1年契約で10万円を渡したのに、ホームページにうちの病院のロゴが載ったのは最近だ。そして、病院のロゴを背負って活動してくれるらしいけど、まだ出来てないそうな。なにこれ?半年間だけ付けて動いて、それ過ぎたら直ぐに剥がす感じ?もたついた分は暫く張ってくれんだよね?って悪い気持ちも出て来ている。それでも信じてチラシ広告を作ったので、身体を張って配ってもらおうと思う。


そして、いい加減にして欲しい事がある。流石に「チラシでよく見かけます~。」なんて言葉はもう良いから来いや。もう「あ、認知されてるんだ!(嬉しい)」流石になんて思えない。お前等みたいな見てるだけの奴に言われても嬉しくない。こんなのあるよ?って誰かに紹介するわけでもないし、意味ねえよ。


嫌な奴になって来たよホント。知らない人達を見ていると「こいつらメンタル病まないかなぁ…」って邪悪な感情出て来るもん。心療内科の看護師しながら経営やってるからさ、そんなん出ちゃうんだよね。とんでもない考えだけど仕方がないじゃん。リスク背負ってんだもん。苦労して独立までのし上がったんだもん。どうせなら上手く行きたいじゃん。失敗なんてしたくないじゃん。神様がいて「お前はまだ人生に試練が必要だ」とか言うならほんと、もうええだろと言いたくなりますわ。


そんな中、新しい取り組みとして貸出をしようってなったの。病院の定休日や開いているスペースを利用して良いよって話。ここを読んでくれている人は分かると思うんですけど。あんね、月に使いたい放題で〇千円でどうですか?通った分だけお得になるよ?って感じにしたのさ。でもさ「いや…私は頑張っても月1~2回なんで下げてもらえませんか?」って相談が来たのよ。先生が「う~ん…これどう思う?」相談された時にね、カチンと来ましたね。


こっちは開業するまでに色々動いてんのさ、そんで借りたお前等は多少の条件はあるけど広い空間を使える訳よ。お前等は此処を利用するのに何も頑張ってないじゃん?なんのリスクも背負ってないじゃん?私らはハッキリいってずっと赤字なんだよ。その中でちょっと利用費を安くして家賃や生活費の足しになればとOKしたのに、その値段にケチ付けやがったんですね。だから私は家賃1日分を取るように設定しました。逆に値上げしてやりました。こっちだって患者来なくて困ってんだ。そんな中でこっちに流れて来る事もない客を招き入れて商売すんだから、それくらい払えって事です。


まだ優しいよ?一日計算だから?仕事仲間を集めれば割り勘で安く利用できるし、貴様らに客を呼び込む力があれば問題はないからね。それが不満なら利用しなくて構わない。在宅訪問で商売とか、もっと安い所探してやれボケカスって話です。

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