第38話 山口達也の逮捕に思う事

何というか、具体的な病気は発表されなかったけど、恐らく彼はアルコール依存症で、やっぱり簡単に克服出来ないんだよなぁと思った。私も労働環境に疲弊していて、そんな中で持病の再発により行動の制限が掛けられた時、どうして私はこんなに辛い気持ちでいる事が多いんだと自暴自棄になったのさ。誰も助けてくれないからもう自分で自分を慰めるしかない、向き合わなければいけない現実に素面でいたくない気持ちからお酒の量が増え、その結果…連続飲酒で最後は勤め先の精神病院に入院させられるっていう経験をしたわけですな。何回も入院している患者さん達と混じって更正プログラムを受けたのは、後にも先にも私だけですな。


「最初は強い気持ちを持っているんだけど、買い物に行く度に酒がちらつくんだよ。そして…そこらかしこに酒が売っている状態を意識してしまうと、それが苦痛になってきてさ、解放されたくて手を付けちゃうんよ。」って良くも悪くもベテランの患者さんに教えて貰った。確かに患者としての生活を終えた後に同じような状態になった。「ここまで飲みたいのに我慢して生きるってどうなの?」「私は治ったんだ、自分でセーブ出来る。」って都合の良い考えも出て来てしまう。そしてある日、飲んでしまった訳ですな。マリオのスターを取ったような感じになりましたね。


でも私はその後、入院していません。精神力が強いのか、それともアルコール依存症の数歩手前で入院させられていたからなのか。続けて飲む日もあるけど、嗜む程度でブレーキを掛けれたりしています。あの時はどっちかと言うと鬱が酷くてそっから+アル中になりそうだったって状態かなと解釈している。だからなんていうか一応、本物のアルコール依存症ではなかったんだろうね。でもさ、いつどこでまた自分が酒に逃げてしまうか分からない。今度は本当に誰にも止められないかも知れない。そうなったら、きっと山口さんみたいになってしまうんだろうなって身を引き締めて過ごしたいと思った。全部、台無しになっちゃうもん。後、支えてくれる仲間だとか、何か生きがいとか軸を持つようにしないといけないのかもね。

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