第31話 人はそれぞれの指名を抱えながら平然と生きる
私の家にあるご先祖さんが残した言葉だ。日付を見る限り戦時中に感じた事を記している。具体的にどういった状況で思ったのかは不明だが、例えば元気良く振舞っていているが、赤紙が届いたら兵士として行かねばならぬという事を心の裏では悩んでいるとか、「なんでうちはこんなに貧しくて腹が減ってばかりなんだ」と不満を抱え人を羨むが、他の家や人も実は同じ悩みだったり、別の苦労とかが実はあってそれを見せないで生きているんだよ。って事なんだと思う。要は「隣の芝は青く見える」って諺と同じ意味なんだろうけどね、こっちの方がしっくり来る。
この言葉を見つけたのはつい昨日の事だ。もしかして何度か実は目にしてたかもしれないけどね。私の家には変な習慣があって、「日々の中で感じた事や学んだ事を先の時代に語り継ぎ、生きる糧にせよ」って言葉に従い簡単な言葉をノートに継ぎ足している。おそらく江戸時代のご先祖さんから始まっている処世術リレーだ。類似・矛盾関係なく、私達も後継ぎがいるのか分からないけど日々感じた事を継ぎ足している。やってて思ったのが寧ろ類似や矛盾があるほど説得力が増す様に出来ているのかも知れないです。人は生涯で最初から最後まで綺麗に筋が通っているのって本当に稀なんだなって思わされますね。皆、同じことを何度も痛感して、時には真逆の事を考えて生きているんだなって。人生、その時々で信じたものに生きてるんですね。
パッと読んだ感じ、今いる私達やご先祖さんが書いて来た言葉で多いのは。若干、表現は違いはあるけれど【思い立ったが吉日】系が多い。我が上田の一族は取り敢えず動け!じゃないと良い事は起こらんし、仮に失敗しても先に経験した分だけ、取り返せる為に動けるって思考らしい。【流れる水は腐らず】みたいな言葉も多いですね。常に活発に動けば何かしら進歩はあって劣化しないぞって意味なんですけど、我が上田の一族というか…人生とはそういうものなのかも知れませんね。
私が書いている言葉で多いのは【人生は先勝】【奴隷の鎖自慢を止めろ】【蝙蝠になるな】【私は間違っているが、世間はもっと間違っている】【面白いを見付けろ考えろ】【強く生きろ】みたいなんが多いかな?この辺の話はまた別の機会にしたいと思う。
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