World Nest/Another
メリー@ヒマラヤ
World Nest/Another
第0話 始まり
□2324年7月18日
VRMMOができてから早くも2世紀
AI技術の進歩により、NPCは基本設定を行いゲーム内時間のみ加速した状態で維持
することで本物の人間のような情報量を創る事が簡単にできるようになった。
2200年頃、ゲーム内でできることがリアルでもできると勘違いした未成年による事故が多発、現在ではフルダイブVRに参加できるのは成人(20歳以上)のみだ。
また、特別な理由がない限り性別は肉体準拠が基本だ。
(ゲーム内での特殊アイテムに外見だけの性別変更アイテムが存在する)
◇
フルダイブVRMMOが開発されてから120年程、未だに五感の再現が不十分なせいで没入感が微妙だった。
そんな中、五感の再現性が低い理由は体調によって異なるパーソナルデータに沿ったデータが作られてないからではないか?
そんな疑義を呈したのは、株式会社:アナザー・トリガー
『電子の世界で永遠を生きたい!』
なんて冗談交じりによくSNSで発信している社長さんが有名な会社だ。
五感の再現性の解決策として、研究所を新たな部署として作成した。
五感データのサンプルの解析・応用・発展を行うのが目的だ。
五感データの再現を常に研究所でより鮮明になるよう試行錯誤している。
ゲームのメンテナンスの際、毎回五感データを最新情報に書き換えることで
最大限リアルを再現した〈World Nest/Another〉
フルダイブVRMMOの最新作『World Nest/Another』
定額課金制 月 1,980円 ゲーム内課金有
ゲーム内で解放されたアイテムは、
提携先のリアル企業にて模型の作成依頼が可能。
※有料 1個500円~ サイズ・クオリティ・材質により変化
(プレイヤーが取得したアイテムのみ)
(イベントの際のアイテムは、誰でも作成依頼が可能)
話題性は抜群だった。だってそうだろう?
誰がそんな五感の再現のためだけに
研究所を部門の一つとして新たに立ち上げるよ?
クローズドアルファテストのみでリリースされた。
事前情報がほぼ〈0〉の状態で発売された。
(一部で攻略掲示板なるものができていたそうだが、私は知らなかった…)
少しでも参加者を増やすため、そしてゲームの新たな可能性のために、
ゲーム内マネー100万ディンを1000円分の商品券に換金することが決まった。
換金のためにも協力してくれる提携先の会社を増やし、
理想に共感してくれる出資者を募った。
そう電子世界という名の『異世界の創造』という理想を掲げた。
そしてメーカーは売りとなる四つの要素を告知した。
1・完全なリアリティの再現。
五感の完全再現。
2・ゲーム内マネー〈ディン〉を100万ディン=1000円分の商品券に換金
換金上限額が存在しない。
3・現実時間とゲーム時間の乖離。
ゲーム内では現実の4倍速で時間が進む。
4・成長し続ける世界
プレイヤーの参加の有無にかかわらず発展もすれば衰退もする
そこに運営の手が加わることはほとんど存在しない。
まるで、本物の世界のように…
そして最後に向上し続けるリアリティ&クオリティ
一部は熱狂した、そして・・・バイザーの額に絶望した。
『World Nest/Another』専用のバイザーは、販売価格55万円!(消費税込)
小遣いやバイト代なんかの貯金ほぼ全額をはたいて購入!
バイト代全額貯金してたから助かった!
販売台数:15万台 予約者:約22万人
一定以上評価をされているゲームなのに、販売台数が想像より少なかった。
しかし!初期ロットの店頭販売予約分を確保。
遂に今日!配達されてきたパッケージの前で踊っている。
( ・´ー・`)フュ―♪
「煩い(# ゚Д゚)」
「ごめんなさいm(__)m」
興奮しすぎて親に怒られた(∀`*ゞ)テヘッ
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