第377話 ひなちゃんとママ、浅草寺羽子板市

ひなちゃんとママの羽子板市についてお話をしたいと思います。

ひなちゃんは、生まれて初めての羽子板市でした。

羽子板市には、ひなちゃんとパパとママとで浅草寺の羽子板市に行きました。その日は朝から雨でした。朝一番に行きました。

一軒目に見た露天で、いいのがあり、チェックしていました。でも、「一通り見ようか」と話し合って、目を通しました。しかし、ファーストインプレッションで、やはり、一軒目に戻りました。

羽子板の候補が二つありました。夫が最初に言った、水色の物、私が最初に綺麗だなと思った、ピンクの物です。

水色の物は、何となく、値段なりに安普請でした。

ピンクの物は、着物がピンクの地を斑に染めて、絞り染めもあり、花柄も入っていて、簪は綺麗なビーズが付いており、板の背景に私の好きな市松模様に桜が散っていましたし、正絹でした。とても上品な感じがして好感を持ちました。

しかし、値段を聞いて、びっくりです。水色の物の倍はピンクの物がしたからです。夫に、「こちらが気に入ったのですが、大丈夫ですか?」と訊きました。「いいよ、好きに決めて。俺に決める権利ないから」と返事が来ました。

ピンクの物を買いました。台も、飾るのに必要だと思って、「私のお財布から出しても良いから」と、夫に話して買いました。結局、夫が支払いました。

良いお買い物をしたと思います。

その後で、共同通信社の取材を受けました。この羽子板のどこが気に入ったのか、義理の父母の還暦のお祝いに贈る事等をお話しました。

駐車場に戻る道すがら、「あの半額だったら、ひなにも買おうと思っていたんだ」と、夫が胸中を話してくれました。

「そうだったのね……」と、夫の気持ちが嬉しかったです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る