第245話 本当の話『命名』うさこちゃん、うさこちゃん
うちには、ママが小学生の頃にうさこちゃんとうさこちゃんがいました。
命名はなんと父で、困りました。
うさぎさんは夫婦だったのですが、どちらもうさこちゃんになってしまったのです。
仲良くミニウサギで、可愛い白地に黒のぱんだウサギです。
父の仕事先の小学校で、うさぎさんに子うさぎさんが産まれていらなくなったからと、親うさぎがうちに迎え入れました。
父の仕事上、口をきいたのでしょう。
それほど懐いていた訳ではありませんでしたが、ママなりに可愛がっていました。
女の子の方のうさこちゃんは、大型犬の飼い主がわざといたずらで犬に噛ませられてしまいました。
そのまま、お空に召されてしまったので、ママは髪を振り乱し、棒を持って立ちはだかりました。
なんて悔しい想いをさせられるのだろうと憤りましたが、両親には私の気持ちを理解されませんでした。
大人の事情なのでしょうか。
もう片方の男の子のうさこちゃんは長生きをして、九年はうちで過ごしました。
うさこちゃんとうさこちゃんは、屋外で一畳程の二階建てのペット小屋で、チャボさんたちやシャモさんや鳩さんと一緒に暮らしていました。
床を張らずにそのままにしていたので、穴を掘ったり、脱走したりして楽しそうでしたが、追い掛けるのが大変でした。
うさこちゃんたちは、いつも二階にいて丸くなるのが好きです。
人参を与えると、うさぎさんではなくて、チャボさんが食べていたりして面白かったのを覚えています。
お腹は大丈夫なのか疑問でしたけれども。
父の命名は、ドーベルマンの母親に踏まれても生きていたのでその子はラッキーちゃんとか単純です。
弟もママも姓名判断で総画数が同じだったりしますから、人間も同じなのでしょうか。
うさこちゃんとうさこちゃんは、ママにとって、初めてのうさぎさんでしたので、想い出深いです……。
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