朝、テントで・・・
意識が少しずつ戻ってきて、ゆっくり目を開けた。
【ビクッ!!!】と体が反応した。
1㎝目の前に、きつめの顔立ちをした絶世の美女が眠っていた、見た目16歳ぐらいの女性だ。
ゆっくり顔を2㎝離すと、金髪ととがった耳が見える。
(エルフだ!!ラノベだと胸がないってあるけど。)
そ~と胸を見ると・・・・断崖絶壁!しかも抱き付いている。
(え!ちょ!え!え!なぜエルフが俺に抱き付いて寝ているんた!てっか!体が動かない。)
このエルフが足まで絡めているせいか身動きがとれなかった。
「ん・・・・んん」
と頭の後ろからも声が。
背中に汗をかくような思いで、そのまま頭を反対側に向けると。
【ビクッ!】
そちらも女性が俺に抱き付きながら寝ていた。
その女性は少し幼い感じだが、目鼻がくっきりした顔立ちで、白銀の髪の毛を持ち・・・・
(え!!!!この女性はモニターで見た聖女様!!!な、な、なぜ聖女様が俺に抱き付いて寝ているの!?しかも少し幼い!)
聖女もエルフと同じように足を絡めながら寝ていた。
(え、え、え、え、え、この状況はなんだ!!まだ夢の中か!!夢の中だろ!!絶対夢の中だ!!この夢、覚めるな!!!)
と考えていると、ほのかにいい匂いがしてきた。
(あ、いい匂いが!!2人からか?)
まずはエルフをクンカクンカ!
(・・・いい匂いだ~、まるで向日葵の匂いだ!)
今度は聖女様をクンカクンカ!
(・・・・最高~~~~!こちらは百合のような匂いだ!!もっとクンカクンカして~!!!)
と思っていると【ゴリゴリ】
(いたたたた!痛いって!)
頭をエルフに向けると、ゴリゴリと体をこすりつけていた。
(胸がないから肋骨がゴリゴリと!)
(いつまでもゴリゴリとやってんじゃね~!!【プニプニ】)
今度は聖女の方だ、そちらに頭を向ける。
(聖女様の胸が柔らかい~~~!なになにこの差!!天国じゃん!!【ゴリゴリ】
(洗濯板エルフ!!邪魔すんじゃね~!!!てめーのは地獄なんだよ!【プニプニ】)
(あ、汚い言葉を使ってすいませんでした聖女様!この洗濯板が邪魔をするものだからつい!【ゴリゴリ】)
(ゴラーーーーーーーーーーーー!!!!!ウゼエンダヨーーーーーーーーー!!!!【プニプニ】)
(あわわわ、聖女様最高です~、めちゃ興奮します~鼻血ブ~しそうです!【ゴリゴリ】)
(だぁーーーーーーてめーのせいで興奮と鼻血ブーが一瞬で消えちまったじゃねーかーーーーー!!)
と地獄と天国を味わっていたら。
「※♯〆$Ω#§♭¶☆α」
(え?何語?)
【ピロン】
《スキル》《言語理解》が、機能しました。
《言語理解》1言語
〔ヴァリーン語〕
〔耳にしたヒューマンの言語を理解し話せるようになる〕
と目の前に半透明な板が、ポップアップが立ち上がり、直ぐに消えた。
声と一緒にテントの入り口から顔を入れたらしい、ちょうど俺の顔の上で目が合った。
20代前半の赤髪で丸顔の優しそうな人だ。
「あ、おはようございます。」
見られて気まずいが挨拶をした。
「あら~おはよう、お邪魔だったかしら、だけどごめんね、ほら2人起きないと。」
と言い2人の肩を順番に揺する。
「ん・・おはよ~・・・」
「おはようございます。」
エルフはまだ眠いのか目をつむったまましゃべる、聖女はスカイブルーの目をパチパチとしてから挨拶をした。
「あ、気が付いたのね、良かった、朝の挨拶がまだだったわね、おはよう。」
「おはようございます。」
目を合わせて挨拶をした。
「ニナおはよう、どうしたの?」
そちらに顔を向けると、エルフがやっと目を開けた途端に固まった、目の前に俺の顔があるからだ。
「キャーーーーーーーーーーー【ゴツ】「ぐは」」
俺を抱いていた手を振り上げ、拳を握り振り下ろした。
俺は、寝ている状態のまま顔に鉄拳をもらい、そのまま気を失った。
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