そして夏が始まる…epilogue & prologue

「おんなのこどうしの技とか、教えてあげよっか?」

「え、ちょ、なんでそういう事になるのよ」

「え?」

「だってさ、あなたそれ、ふとももこすりつけてるだけだし」

「うんごめん、あなたじゃなくて田嶋さんに言ったんだけど」

 うぐぇあ。

「あれ。やったこれ、もしかして両想いじゃね?」

 田嶋さん。

 顔を真っ赤にしてる。

 たぶん私の顔も真っ赤になってる。

「まずは水族館行こう水族館」

「なんでそんなに海推しなの」

「あ、あの、私が行きたくて。耐水ガラスの性能とか、組成とか、みたくて」

 あ、田嶋さんのリクエストだったのか。

 ならばすぐ行こう。

「よし、行きましょう」

 友だちのロングスカートを引っ張って、田嶋さんの手を取って。

 歩き出す。

「あなた、意外と素直ねぇ」

 そのキメ顔をやめろ。

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