BLUEs
N/A
毒々しい青色の夢
青い空間にただ1人、浮遊する。
青は呆れていた。僕のことを見つめて。
電流センセーションと革命の予兆。
青色は僕を見ている。透明を見逃さない。愛情の被覆を溶かして、虚構を知らしめる。嫌というほど積もった雪はただの灰。後ろに伸びた影はいつまで経っても動かず仕舞い。
夢は廉価。粗悪なリアリストの呪い。
幸福さえ紛い物。その絶望は有象無象。
つまり世界は机上のレプリカ。
『大丈夫。君は今すぐ死ぬ。僕が殺そう。
ほら、僕にその手を差し出して』
“そこ”に望む物があると思った。
“そこ“に求む人がいると思った。
“そこ”に願う未来が来ると思った。
ポケットにしまった黒い霧を捨て去って、肺に溜まった白い息を吐き出した。どうしようもなく綺麗な服を引きちぎって放り投げたら、紙吹雪みたいになって飛んでった。
消えない汚濁が頭の中で泥のように這いつくばっていた。狂った感覚に身を浸すたび、それらを払い落とすことができた。
『まだ足りない』
自分の首を掴んで握りしめる。高らかに笑い声を挙げて、腕の力を強めていく。6番目の神経が、枯れた青の景色に命を吹き込んだ。
身体を巡回する緻密に設計された奔流が、次々と崩壊していく。心地の良い爆音が、寂れたドームの中で奏でられる。
「まだ死なない」
首から手を離した。新鮮な青色が肺の中に吸い込まれていく。浸透していく。満たされていく。青に染まっていく。
顔に貼られた4つのテープは、皮膚が剥がれるくらいに引っ張れば取れた。それらを口の中に押し込むと、強烈な酸味が頬を殴って吐き出してしまう。仕方ないから味覚を感じないよう、飲み込んだ。
敗者の戯言か、同情の道具からの叫び声。
または皆が謳う思考停止と小競り合い。
その防具は薄い軽い硬いの三拍子。
格好も気をつけて。現代に生きる知恵。
——ああ、反吐が出る。
殴り合いからは逃げるばかりです。
しかしどうやら銃撃戦はお好きな模様。
その銃弾で、猫を撃ち抜くのでしょう。
——ああ、下らない。
ダイヤモンドは砕けてしまうのに。
数撃ちゃ当たるのは、凡々だけでしょう。
青は君に賛同している。
青に僕は笑いかける。
彼はこじ開けてくれた。理性と名付けてしまった本能を。
彼は思い起こしてくれた。人生表裏の影に隠れたアイデンティティを。
ここは海の中。
鼓膜を破いてしまいました。
沈んでいく。死んでいく。浮き上がる。
その先々で目にするモノは何でしょうか?
センカイニ、メクルメク。
「青」は今、蘇った。
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