遠野アオイの暴走

第二部 色は匂え

第7.5話 第一部の登場人物とこれまでのあらすじを紹介

１、第一部までの登場人物

　氏原（うじはら）　光（ひかる）　……　物語の主人公。16歳のごく平凡な男子高校生。健全な男女交際がしたい

　桐壺（きりつぼ）　更沙（さらさ）　……　20歳。ヒカルの初恋の人。最近、彼の父と再婚したため、義理の母としてヒカルと同居している

　遠野（とおの）　将彦（まさひこ）　……　16歳の男子高校生。ヒカルの幼なじみ。高校は同じだが、ヒカルとは別のクラス

　遠野　葵（あおい）　……　16歳の女子校生。ヒカルと同じ高校に通うが、別のクラス。親が勝手に決めたヒカルの許嫁（いいなずけ）。遠野将彦の双子の妹で、兄と顔がそっくり

　上野　……　一年前に亡くなった資産家の女性。年齢などは不明。家族は孫一人のみ。ヒカルからは「上野のおばあちゃん」と呼ばれていた

　氏原（旧姓：上野）　紫（むらさき）　……　11歳の女子小学生。上野のおばあちゃんの孫にあたり、彼女に育てられていた。祖母亡きあと、ヒカルに引き取られる。祖母の3億円の遺産を相続したらしい

２、これまでのあらすじ

　これは健全な男女交際を望む男子高校生が、不健全な交際へと巻き込まれてしまう、愛の物語である。

　高校へ入学した主人公のヒカルは、父が再婚した桐壺との生活を始めた。しかし、彼女は、彼の初恋の人。好きな人が義理の母親となり、彼の悩みは尽きない。

　そんなとき、父親からアオイを許嫁として紹介されるヒカル。彼女は幼なじみの双子の妹なので、顔が幼なじみ（男）と同じ。彼女本人が結婚に乗り気である半面、ヒカルは男と交際するようで、乗り気ではなかった。

　光と結婚したい一心で暴走するアオイ。さらに、彼女が浮気を絶対に許さない性格で、暴力をふるうこともあるようだ。とはいえ、ヒカルは一緒に手つなぎでアオイと下校することにした。

　けれど、ヒカルの家の玄関前で待っていたのは、少女のムラサキ。ヒカルから「俺の子だ」と紹介されたアオイは、彼を投げ飛ばすのだった。しかも、このムラサキは、義理の父親であるヒカルと結婚願望があるご様子。

　怒りの収まらないアオイだったが、ヒカルの事情を聞いて同情する。さらに、二人の仲は急接近して、ついに、台所でキスをするのだった。