物語が生まれるということ

 柳なつきさんが「物語は生まれるということが尊い」とコメントでおっしゃってて、すてきだなぁと思いました。


 変に自意識過剰な解釈をしたくなくて、ここ数日、考えるともなく考えてたんですよ。


 自分なりの解釈でいくと、作品を自分の子どもみたいに思えばいいのかな、と思いました。


 自分の子どもは、自分が生んだのに、ぜんぜん自分のものじゃないです。自分よりも大切で、生まれて存在しているということが尊いです。で、子どもを生むという行為は、すっごいことだと思うんですけど、生きものがふつうにすることなんですよね。


 加えて、自分の子どもは尊いんですけど、どこにでもいる、ふつうの子どもなんですよ。


 作品は自分のものではないと思うと、逆にちゃんと生んであげたいと思います。それがどんなに稚拙で、商品としての価値が全くないものだとしても、生まれてきてくれたことが尊い。私のドラ息子、ドラ娘、たまに恥ずかしくて悶絶するけど、闇に返しちゃった子もいるけど、尊いよ! 

 生まれてきてくれてありがとう、て思ったほうがいいかなと思いました。


 もともと、執筆を始めたのは、物語を紡ぐクラフトを、長い時間をかけてマスターしたいなと思ったからです。いろいろ試して、たくさん失敗して、経験を積むことで、深く、遠く、行けるとこまで行ってみたいと思っています。その先に見えるものに興味があります。でも、最終的には、クラフトではなくて、生まれてくる物語が大事なのかな。だから、初期の作品よりも、経験を積んだ後から生まれた作品の方が、必ずしもいいということでもないのかな。そもそも、作品に優劣をつけること自体が、なにか矛盾を含んでいるのかもしれません。


 今まで通り、仕事と子育ての合間をぬって、細々と執筆を続けていきますが、書くことがもっと好きになったコメントなのでした。

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