ダーリンを殺す

 Kill your darlings あなたのダーリンを殺しなさい


 ノーベル文学賞を受賞した、アメリカの作家、ウィリアム・カスバート・フォークナーさんの言葉です。


 ダーリンって、日本語だと、夫だとか彼氏だとか、男の人のイメージですが、英語の darling は女性や子供にも使います。「愛しい人」「大切な人」という意味合いですが、たまに、カフェのおばちゃん店員とかから、ダーリンと呼ばれることもあります。アレは、癖みたいなもんです。


 フォークナーさんは、自分の作品をリライトするときに、ダーリンを殺すつもりで挑みなさいとおっしゃっています。自分がいいなと思っている、キャラでも、セリフでも、シーンでも、全体を通したときに邪魔になるものは、心を鬼にして捨てなさいってことですね!


 今「悪者は、やっつけない」連載中ですが、第1部が完成して予約投稿しています。書いているうちに、プロットにないのに書きたいことが出てきてしまって、全体を通したときに「盛っちゃったなー。ごちゃごちゃしてんなー。」という仕上がりになってしまいました。


 完成度など気にしないで、とりあえず書き終わらすことを目標に書き飛ばしているので、振り返ってみると「あちゃー。」ということは、よくあります。読者の方々につたない駄作を披露して申し訳ないんですけど、とりあえず、完結するまでは突き進む予定です。


 そいでね、いつか近いうちに、ダーリンを殺しに行きます。「最初の10作はたたき台」なんて、カッコつけちゃったので、10作中7、8作くらいは、作品丸ごと殺すつもりだったんですが、いくらドラ息子ドラ娘でも、ちょっと情が湧いてきてしまいました。「悪者は、やっつけない」が完結した後は、昔の不束者ふつつかものたちにご挨拶に行って、作中のダーリンたちを、殺して行こうと思います。そうすると、作品丸ごと殺さなくてもいいかもしれません。


 その作中に入りきらなかったダーリンは、次の作品に入れてもいいしね!


追記:作品を書き終えたあとで「私ってこんなことが書きたかったんだ!」とテーマが明らかになるときないですか? プロットの段階で書きたいテーマとか書き出すんですけど、書いたあとで全然違う話になったりします。あるあるなのか、そうでもないのか、ちょっと気になるところです。

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