僕の彼女

僕は彼女のことが好きだ。


長くて真っ黒でしっとりとした髪が好きだ。


二重瞼ですこしたれさがった目が好きだ。


僕を見つめるときの瞳孔の開き方がすきだ。


口紅をしなくてもうすいピンク色の唇が好きだ。


真っ白で並びのきれいな歯はいうまでもなく好きだ。


簡単に手折れそうな細い首がすきだ。


毎日手入れをしている美しい少し長い爪が好きだ。


ほっそりとしてやわらかい君の手の指が好きだ。


生命線が少し短いのが心配だけれど手のしわの入り方がすきだ。


身体のラインを邪魔しないちょうどいい大きさの胸が好きだ。


きみが胸をそらせたときに少しだけ肋骨が浮くのが好きだ。


美しい清流のような線がある背中が好きだ。


両手でつかめそうなほど細い腰のくびれがすきだ。


赤ちゃんよりきれいなへそが好きだ。


骨盤がきれいなのがわかる腰つきが好きだ。


細くてしなやかでも強い太ももが好きだ。


ほおずりしたくなるほど柔らかいふくらはぎが好きだ。


陶器のようなかかとが好きだ。


ぷっくりとした足の指が好きだ。


こんなにも素晴らしい彼女は僕のどこが好きなんだろうと心配になったので聞いてみたら


「顔」


と一言だけ返ってきた。やっぱり僕は彼女のことが好きだ。








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