学園戦隊メガネンジャー! 改訂版

東 尭良

序章

 人は、視覚に頼る生き物だ。


 聴覚、嗅覚、触覚、味覚など、様々な感覚が存在するが、中でも視覚は人の行動、思考、判断などに多大な影響を与える。しかし、人は視覚に頼るが故に、視力が低下すると著しくその能力に制限が加えられてしまう。

 その状況を打破するために、人類がその英知を結集して作り上げたのが、視力矯正具、すなわち『眼鏡』だ。金属や樹脂などのフレームに、光学レンズを組み合わせたその姿は、ただの視力矯正器具と呼ぶのにはすでに相応しくない。そう、眼鏡は身体の一部なのだ。


 眼鏡を通して世の中を見ることの喜び。

 眼鏡を掛けた姿を人に見られることの至福。

 様々な眼鏡の中から、自分に似合うものを見いだす瞬間。

 これらはすべて、眼鏡がもたらしてくれる恩恵だ。


 だが、その素晴らしさを理解しないどころか、眼鏡を害悪のように考える者もいる。

 彼らは眼鏡を醜いと断定し、この世から抹消しようと考えているのだ。

 これは、とある学園で起こった、眼鏡っ娘の平和を護るヒーローとヒロインたち、そしてその敵であり、眼鏡を根絶せんとする少年と少女の織りなす物語である。

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