魔王の誇りと転生の誓い、滅びから800年後の夢

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王国編

第1話 始まり

「牙、例の準備はどこまで進んでるの?」


「はい、魔王様、あと一時間で済みます」


「そう、何とか間に合いそうね、私の方の準備も終ったわ」



私は最後まで残ってくれた部下たちの顔を一人ずつ

確認しながら、ゆっくりと首を巡らす



「魔王様、われら魔族の最後が、どのような物か

人間どもに、見せてやりましょう」



いま、魔王城は人間どもの大軍団に囲まれ

我々、魔族は最後の時を、迎えようとしている



「1時間だけ時間を稼ぎなさい、その後は城に火をつけ

逃げなさい、できるだけ長く生き残るのよ」



部下の一人が首を横に振り



「いいぇ、魔王様、われらは全員この城と共に滅びます

生き残ったとして、人間に追われ、

人間に脅えて、暮すなぞ、耐えられません」



「そう、好きにしなさい」



そうね、人間に脅えて、くらすなんて

確かに、耐えられないわね


私は部下たちに微笑み最後の、別れを告げることにした



「お前たちは、私の誇りよ、今まで共に戦えたのは

私の名誉よ、ありがとう」



「いいえ、魔王様、我らこそ、共に戦えたのは名誉でした」



別れは済んだ、もはや生きて彼らと会う事はできないだろう



「魔王様、こちらにどうぞ、もう少しで準備が整いそうです」



牙に頷き後に続く





牙の案内で城の一室に入る

部屋の中には、私の最も信頼する部下たち

翼、爪、牙、目の四天王が揃っていた

牙が代表して口を開く



「始めましょうか、魔王様」


「ああ、今回は負けたが、次は負けはしない

そうだ次は人間どもが滅びる番だ」



後ろで牙の詠唱が聞こえてきた

いつの時代に行こうとも、この復讐は必ずしてやる

牙は大きな声で叫ぶ




「さあ、今こそ転生の時です」



次の瞬間大きな光に包まれ、私たちの今生の

命は終わりを告げた。




魔族と人間の戦いが終わり

魔族が滅びてから800年後




「ロミナそろそろ帰るぞ」



お父さんが、私を呼んでいる



「ええ、お父さん、今行くわ」



私は籠に、使ってた道具をしまい背中に担ぐ


私の名前はロミナ、この村コンテントの農夫の、ボュシュ父さん

アイラ母さんの間に生まれた、ごく普通の娘だ

外見は金髪で碧眼、顔立ちはまあ、中の上ってところかしら

今の悩みは、もう14にもなるのに、未だに結婚相手が

決まってないってところかしら

さすがに、そろそろ決まらないと、行き遅れてしまいそうね



「お父さん、今日の夕飯は何かしらね?」


「さあな、 そんな事より急ぎなさい」



お父さんに頷き、お父さんと帰路についた




「ただいま、母さん」


母さんは、私と父さんを少し見た後、また夕飯の支度にもどる

別にいつもの事だが、お母さんは、不愛想だ

いや、私の事を嫌っているんだろう

原因も分かっている、私が昔からよく見る夢のせいだ

夢の話を、お母さんに聞かせるようになってから

お母さんの、私を見る目がだんだんと、気味悪るがるような

感じになって、行くのを感じた



「今日の、ご飯はなにかしら?」


「無駄口をしてる暇が、あるならお皿でも並べて頂戴」


「はーーい」



まあ。いつものことよね


いつもの夕食、ああ何にも会話がないわね

私のせいで、お父さんも、お母さんとの喧嘩が絶えない


はあ、みんなの幸せの為にも、早くお嫁にいきたんだけど

こんな感じなんで、お父さんも、お母さんも、積極的に動いてくれないのよね

まったく、早く私を、追い出してくれればいいのに

もう、自分で探すしか無いのかな


気まずい、夕食が終わり

いつものと、変わりのない、一日が終わる


私の一番楽しみにしている時間がくる

お母さんは、気味悪がっているけど

私には、楽しい夢ね

さあ、今日はどんな夢が見れるのだろう?

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