異世界の歴史研究者
甘木 銭
-プロローグ-史料がゴミしかない世界
この国の歴史書はゴミだ!! クソだ!! 無価値の極みだ!! ダメッカスだ!
他国への侵略を繰り返し、様々な文化と民族をごちゃまぜにして、調子に乗った蛮族が王を名乗ったことによって成立しただけのクソ国家。
成立から五十年という短いこの国の今までを教えるものは、王の側近と無能な学者が編纂した「国家万歳」とばかりに事実を都合よく改変・追加した紙束のみ。
そして国民は、そんな嘘をそのままに飲み込んで生活している。
ふざけるな!!
これ以上こんなところに居たら頭がおかしくなるわ!
しかし、この列島島には既に他の国家は残っていない。
死亡率が著しく高く、とんでもなく揺れる船に乗って海を越える勇気もない。
そんなこんなで、国の端っこにある田舎の村まで逃げ戻ってきて早五年。
カビ臭い書籍と土の付いた発掘品に囲まれたこの小屋は、自分にとってこの世の楽園と化していた。
だというのに…………
(とある歴史研究者の愚痴)
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