第三話……自販機発動!?

今日も空は青い。

リアルの空は核戦争の歴史の足跡が色濃いが、ゲームの中の空は極めて青い。





「うん! 今日は装備を整えよう」


 ……近所の町まで~るんるん♪


【システム通知】 …… 【注意】 最も近い民家まで40kmあります。


 (´・ω・`) ……。




 拙者はスタート地点の丸太小屋に戻った。


 Σ( ̄□ ̄|||) がぼ~ん

 

 なんと自販機がおいてあった。

 ファンタジー要素が残念なゲームだなぁ。


 売っているものは……ぇ~っと、【甘め強烈缶コーヒー】と【初心者お勧め装備セット】……atc

 拙者はスタート時に配布された銅貨をチャリチャリと自販機にいれて要りそうなものを買った。




 【自販機】 …… 【職業】を入力せぇや! このハゲブタ!


 …… (xωx`) やべぇ、そういやハゲたブタだったのを思い出した。


 (。´・ω・)? …… そもそも職業? ってなんだ?




 【システム通知】 …… 好きな職業をお選びください。


 ……絶対に作者の設定し忘れだと思うが、選べる中で最もかっこよさそうな【忍者】にした。




 自販機にピポパピポパ……と入力。


 ガランゴロン……色々出てきた。

 さりげなく、自販機の下にお金が落ちてないかも確認し、品物を取り出す。



【システム通知】 …… レアアイテムGET! ぱんぱかぱ~ん♪ 【落武者の鎧】を手に入れました。


 (・ω・`:) ……極めつけに雰囲気が酷い防具が出てきたぞ。



 ついでに買った缶コーヒーを飲む。素敵だ!

 なにしろ缶コーヒーは脳の成長がどうこうで、親に中学生のうちはダメといわれているのだ。ゲームの中ならなんら問題はない。


 だが、少し熱かった。


「あちっっ」


【システム通知】 …… レアスキルGET! ぱんぱかぱ~ん♪ 【猫舌】が身につきました。



 ………絶対に他のゲーム手に入れたら辞めてやる!!




 しかし、ほかに装備するものがないので、落武者の鎧を装備した。


【システム通知】 …… 【クラスチェンジ!】 ぱんぱかぱ~ん♪ 【猫舌】と【落武者の鎧】で忍者から【クラスチェンジ】



Σ( ̄□ ̄|||) ぇ?


 ……やばいぞ、唯一まともそうなステータスな【忍者】が、ものの数分で消え去った。



【システム通知】 …… 上位職【落武者】へクラスチェンジ! おめでとうございます! どんどんぱふぱふ~♪



(´・ω・`) …… 敵さ一匹も倒さずレベル1のまま上位職になったべ………。




 ハゲでブタで落武者……。

 いったい誰得なステータスだよコレ……!?





【システム通知】 …… ぉい ハゲブタ! 【落武者】は【従者】2名を召喚できます。


 (;’∀’) …… ここの運営ガチで言葉遣い酷いな。




「よし! ぇ~っと 【従者】 でてこ~ぉい!」



 ……ポン。


 ちっちゃいウサギとタヌキが出てきた……。


 都合がいいことに、所持しているスキル【獣言葉】で意思相通~♪



「ブヒブヒ~♪」

「うさうさ~♪」

「ポンポコポン~♪」



 ……ねだられて買った缶コーヒーで、3名(?)で宴を開いた。



 (゜∀゜)人(゜∀゜)人(゜∀゜)ノ 激甘最高~♪





(……小一時間経過。)



【システム通知】 …… ぱんぱかぱ~ん♪ 隠れスキル【遠縁の近い】が発動! 3人(?)は【親友】で【義兄弟】になりました。



「!?」

「…。」

「…。」




……その後三匹は誰が長男になるかで、日が暮れるまでもめ続けたそうです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る