ユニークトラベラー 〜Everlasting Cage〜

水無月 零夜。

《序章》

「普通」

なりたい自分を思い描く時には、こんな言葉は思いつかない。普通とは何だろう。特徴をつかむことのできない、形のないものだろうか。あるいは、一定のリズムで繰り返される図だろうか。ありふれた、珍しいものではない「人」が普通であるのだろうか。それらに共通する凡庸性を、彼は求めている。

それはまるで儚く遠い旅。


彼の、「普通」の永遠を求める旅だ。

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