恋人失格
冥仙りな
プロローグ
「なぁ 俺思うんだけどさ」
「うん」
彼らの足元には濁流が広がっている。ここに人影はふたつだけ。
「この世はクソだよ」
「……そうだね。でも、そんな世の中を生き永らえられなかった私達はたぶん、もっとクソだ」
「そうだよなぁ」
その人影も、もう居ない
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