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それからしばらくのあいだ、
女たちや子どもたちがあつまりつづけ、
うたい手は、知らず知らずのうちに、
五人の妻と十八人の息子と娘に囲まれるようになった。
うたい手は、海からあがると、毎日、
かわるがわる妻たちと子どもたちをだきかかえて
うたをきかせた。
そのうた声は、
若いころの哀しみと孤独にみちたものとはちがい、
きくものを幸せにみちびき、
人生に必要なことは世界をいつくしむことだけだと
悟らせてくれるような、
いとしさと優しさにつつまれたものとなった。
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