P4

うたい手の体が大きくなるにつれて、


うたごえも深く豊かで大きなものになり、


島の沖を行きかう船にも響き渡るようになっていった。


さらには、周りの島々にうわさとともにたどりつき、


とうとう大きな島の国の王宮にまで


評判がおよぶことになった。




国王はうたい手を呼びよせようとしたが、


とてつもない体重に達していた彼は、

もう島を出ることができなくなっていた。


王の使いは足しげく通い、


しまいにおおぜいの兵隊をつれてきて、


彼を輿にのせ、船につみこんでしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る