第二十七話 巴奈馬運河は皇国の手に

 ハワイ全土占領に成功し、ハワイ島に航空基地を建設している最中に、本土から伊四〇〇型潜水艦がパナマ運河に向けて出港した。目的はパナマ運河の破壊。伊四〇〇艦載爆撃機でパナマ運河を滅茶苦茶にしてやろうという算段であった。


 そして、それは計画段階からGOサインが出されており、しっかりとした計画が立案されぬままその作戦は決行されることになった。



 結果から言ってしまえば成功ではあった。が、こちら側の被害も大きかった。


本作戦には計十隻の伊四〇〇が投入され、艦載機も三十機用意された。彼らは順調に潜航しながらパナマに近づき、運河に機雷を投げ出し、船が通過するのを待つ。すると一隻の商船が機雷の伝導線に接触し、爆発を起こす。


大きな爆発音とともに護岸ががらがらと崩れ落ち、運河がふさがれる。そして任務を終えた潜水艦は全速潜航を開始し、運河からの退避には成功した。しかし、撤退した先で二隻の伊四〇〇が行方不明となっていた。


 大西洋側に出ている米艦隊はフォークランド諸島側を経由して太平洋に出なくてはいけなくしたが、高いコストのかかる潜水艦を損失したのは海軍にとっても痛いものとなった。

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