1-4

「おにぃ、早く~」


「あ~わかった、わかったから腕引っ張るのやめてくれ」


 妹は間に合わないと思って急いでいるのか、とても腕を強く引っ張ってくる

 時間的には間に合うのだが、どうやらギリギリが嫌らしい

 仕方なく歩調を早めて妹と並ぶ


「ふむ、よろしい~」


 妹は機嫌をよくして今度は腕を絡めてきた


(……やっぱり距離感がおかしい……)


 腕を抜こうとして、出来ずに諦めて聞く


「何かあったか?」


「むにゅ?何もないよ?

 これがいつも通りだよ~

 おにぃこそ今日変だよ?

 何かあった?」


(……気のせいか?)


「あっ!わかった!

 おにぃまだお眠さんなのね

 仕方ないから私が目を覚まさせてあげる!」


 妹はそう言って俺の頬ににキスをしてきた


「!?」


「どう?目覚めた?」


「……あ、ああ……覚めたから、少し離れてくれないか?」


 確かに目が覚めたが、なにせ今は登校中、周りの目がとても痛い……


「む~、しょうがない……」


 妹は不服そうに頬を膨らまし、腕から離れて手を握った


「なんで不機嫌なんだよ……」


 俺は何が不服なのかわからず首を傾げる


「もうおにぃなんてしらない」


 妹は拗ねて手をニギニギしてきた

 俗に言う恋人繋ぎで



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総PV300ありがとうございます!

次の更新は明日の朝です

明日からは1日1話更新を目安にあげます

御愛読ありがとうございます!

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