第46話 8月27日 晴れ
◇ PM5:40
夜が明けても捜査は続けられ、そして次の日の夕暮れ。捜査は打ち切られた。
知らせを聞いたカイは必死で食い下がったが、これ以上は無駄、というのが、彼らの結論だった。
…あの後どうやって、家まで帰ったのか。気が付くと、自室のベッドの上にいた。天井に手を伸ばし眺めてみるが、確かにそこにいるはずの自分がひどく現実感の無い存在に思われる。自分と外界の間に見えない膜があって隔離されているよう。カイは涙を流すこともなく、ただ、ぼんやりとその手を見つめ続けた。
***
ベッドから出られるようになるまで、2日。ぎこちないながらも日常生活を送れるようになるまで、さらに2日。その間ミナがあれこれ世話を焼いてくれるのを、他人事のように見ていた。
ついに再び家から出た時には、あの日から1週間近くが過ぎていた。
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