第41話  出発

 改めて確認すると今いるのは闘技場に来ていた剣闘士の半分位になるという。中々剣闘士以外で食っていけなく、ずるずると座に残っている者が多いのが分かった。


 座以外に知人がいないので、一人で生きられないこの世界では何かしらの団体に居ないと辛いという。


 冒険者に興味はあるという者が多かった。

 勿論魔物と戦い命を落とす可能性もある。


 行き先はダンジョン都市を目標にする事になった。ダンジョンでドロップされる物で十分食べていけるし、冒険者の数が足りないというから都合が良い。


 各馬車は2名が御者席、荷台に8名が座る。

 護衛を交代交代で行い馬車の者と変わる。野営の見張り番は護衛から免除だ。また、サポート要員も馬車に乗りっぱなしになる。


 馬車16台に分乗し、残りは馬だ。ダイスとクレールの馬は空馬で馬車についてくる。

 何かあるとまずこの二人が愛馬に跨り駆けつけるからだ。基本的に直接頼まないと他の乗り手を拒否する。


 大輔は最後尾の馬車にいる。アマゾネス、ケイト、クレールとで6人だ。御者はギランとトーマスでスタートだ。時折御者は変わっていく。


 昨夜最後尾が一番やばいと話し合って隊列を決めていた。先頭にはガラグ、中間にも力の有る者を配置していた。


 飲み物は樽に水を張り、各自の容器に入れ、無くなれば休憩時に新たに配っていた。


 今のペースだと目的地には5日程掛かる。国境は明日だ。


 昼頃前方より大輔の所に伝令が来た。敵兵が数十名来ていて、こちらと相対するためにも止まったと。


 大輔は一部に殿の警戒要員と伝令を残していく。大輔自体は愛馬に跨り駆け出す。


 一発触発だった。

 大輔は人数差から降伏を求めたが、拒否され矢が飛んできた。

 大輔は殺すなと叫ぶと手を触れていたケイトにホットを放たせた。


 絶叫がほとばしり、数名を残し行動不能になったようだ。一気に残りへ襲い掛かり、木剣で殴り飛ばして殺さずに制圧した。


 制圧後、大輔は急ぎ奴隷にしてから治療していた。


 尋問したが、逃げたとされる剣闘士を捕まえる為に国境まで行き、引き返してきた所だった。


 又もや大輔は命令をする。急ぎ特別任務として本国に戻り、対応した位の高い物を殺し、報告しに行った面々以外は本国の貴族の屋敷に手当たり次第火を放ち、貴族を殺せと。任務は今いる奴以外に話してはいけないとした。貴族の屋敷を全て焼き尽くしたら自由だとした。


 そして先を急ぐ事にし、出発するのであったが、この命令は皆で協議して決めていた。大輔は酷いと思いつつも反対せずに実行したのであった。

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