第8話  奴隷3日目

 朝起きると既にケイトが身支度を済ませ、朝食を準備してくれていた。闘技に出る日は自室での食事が認められていた。


「おはようケイト。きのうは酔っ払っていてあまり覚えていないないんだけど、何か特別な事は無かった?」


「ダイス様のばか。私を抱き枕にしながら寝てしまったんですよ!まったく」


「きのう、マッサージしてくれたから、かなりましだよ。有り難うな。添い寝はいやだったか?」


 慌てたケイトが


「そんた大した事ではないのでお気にされないでください。添い寝だけで私に手を出されないのはやはり顔がこんなだからですよね」


「いや、傷や火傷の問題じゃないぞ。お前まだ子供じゃないか。俺は幼児愛好者じゃないから、君の年齢の少女とは致せないぞ。背伸びするな。性の対象じゃないから捨てるなんてしないから心配するな」 


 ケイトは頷いている。


 ケイトはやはり子供で大輔は性的な対象には見れなかった。当人は自分は大人だと言いはるが、どう見ても小学生位だ。この世界の倫理観があまりにも違い、大輔は戸惑うばかりだった。


 トイレに行き顔を洗い二人で朝食を頂いた。


 そして朝から稽古だ。


 やはり何故か剣をちゃんと使えた。

 稽古ではそこそこ出来ていたのだ。但しやはり力が足りず10合位で力が入らなくなる。


 大輔は映画を思い出す。確かブラピが出ていたトロイの冒頭の戦いがトリッキーな感じだった。


 試しに足を使い回り込んだが、見事に決まった。しかし、次からは当然防がれる。


 昼からの戦いの為、1時間位で訓練は終わる。それからは呼ばれるまで自室で待機だ。本来雑居部屋なのだが、座長の方針で個室を与え、ベストを尽くすように士気を上げていて、実際効果が高いのだ。

 今いる座は国でも4大座の一つに数えられている実力のある座だと聞かされた。


 病気を貰うかもという理由で与えた女以外は抱けない。奴隷は座長の許可なく闘技場周辺から動けない。等自由はかなり制約されている。しかし、闘技場の中では自由に練習も休憩も出来る。ただ、サボれば自らが代償を払う事になるから皆必死だった。


 大輔はケイトにマッサージを頼もうとしたが、部屋に入るなり服を脱がされベッドにうつ伏せにされマッサージをされる。


 マッサージを受けている最中に眠りに落ち、起こされたのは出番が近づいてきて着替えないといけない時間だった。ケイトはぎりぎりまで寝かせてくれたのだ。うちわで仰いで快適にしてあげるなど、尽くしていたのだ。


 装備はダリルの鎧などを着る。ゲットした財産のうち装備は全て大輔が使う。チェーンメイルは高価な軽量の金属を使っていて、体力的な負担は少ない。座長が装備は全てお前のだと言い、生き残る確率を上げる為に着ろと言われていた。


 しかし、一人では着れないのでケイトに手伝って貰う。


 改めて年齢を聞いたら12歳になったばかりだった。ただ、この世界は12歳でも結婚できるので成人らしい。


 しかし、大輔はロリコンではないので当然だか、ブレーキが掛かり、恋愛対象外の年齢として彼女の保護者になるつもりだった。


 しかし、ケイトは全力で大輔の女になろうと誘惑をする。しかし、相手にされないので振り向かせるのに過激になったり、尽くすのを繰り返そうとしていた。


 しかも大輔はケイトが自分の物にして欲しいと切実に思っている事や、その理由がイマイチ理解できていなかった。子供が背伸びして大人をからかっていると決め込んでいたのだ。


 装備を整えて部屋を出ようとしたらケイトに抱きつかれた。大輔は背中を擦り、


「君の為に帰ってくるよ。祈ってくれ」


 ただそれしか言えない。大輔が死ねば娼館に売られるから大輔に頑張って貰わないとだから仕方なくやっていると勘違いしていた。

 また、抱かれたいと言うのも好意からではなく、大輔に捨てられないように幼い体だとはいえ、体の関係になれば簡単には捨てられないだろうとの打算だと、そんなのは駄目だと言う感じだ。そして嫌な予感しかしないが、待合室に向かうのであった。

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