第2話 「こちらの世界とあちらの世界」
あれから2日・3日ぐらいが経ったであろうか。左手に描かれている時計が5時あたりを指している。恐らくあちらの世界(現実世界)の1週間経過するぐらいでこの時計は1周するのであろう。モヒカンヘアーの”モヒ”とロングヘアーの”ロング”とはあれ以来会えておらず、まだ右手のカウントは(0/3)のままだ。そろそろ達成しないと消えてしまうことは、この前のルール説明で教えてもらっている。
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ここ数日間、何もしていなかった訳ではなく、歩いたり会話したりして、わかったことがいくつかある。
まずは自分たちがいるのはあちらの世界ではあるが、こちらの自分たちの姿は見えていない。
”運命”のお手伝いをする時のみ、あちらの世界に干渉することができるが、どうやらその瞬間も見えていない。心霊写真・動画の原因は、こちらの世界の人が干渉しようとしている瞬間が撮られていたのかもしれない。そうなると、これは”幽霊の仕事”だ。
さらにこちらの世界の人には記憶が残っている。よく漫画やアニメで見る過去に後悔のある人がこの世界に来ているのであろうか。自分は死ぬ瞬間の記憶がないため、たまたまこの世界にいる?そういった設定であろうか。
そしてこの世界で一番重要なことではあるが、お手伝いをする”運命”がある人はオーラを放っている。”1週間以内に発生する運命”は”緑色”、”1日以内”は”黄色”、そして”1時間以内”は”赤色”のオーラとなる。信号みたいでわかりやすいやろと、こちらの世界のハゲのおっちゃんが教えてくれた。
簡単にカウントを増やすには、”赤色”のオーラを探せばいい。そのように考えるがこれが難しい。カウントを増やしたい人がハンターのように目を光らせているため、無難にカウントを増やすには、黄色のオーラの人を見つけ、赤色になるまで待つ。これが新人のやり方やとおっちゃんが言っていた。
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まだまだわからないことは多いが、色々考えている暇は自分にはなくなってきた。たまたま黄色のオーラを放っている女性が目の前を通ったため、この瞬間を逃す訳にはいかない。こちらの姿は見えていないが尾行開始だ。
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