断章 第一部ストーリー・登場人物・用語説明
第一部ストーリー編①
失礼いたします。私、魔王軍所属、魔王専属メイドのアンジェリカと申します。
今回、物語は第一部を終えて一年後である第二部に移行するのですが、第二部に入る前に情報整理といたしまして第一部のストーリーと登場人物の紹介をさせていただきたいと思います。少々長くなるので、ストーリー編と登場人物編を数回にわたり説明いたします。
ストーリーでは語られなかった設定についても少し紹介せていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
第一章 召喚
この物語は、異世界ソルシエルを舞台としており、最初の話では神魔戦争最後の戦いである魔王グランとベルゼルファーの死闘が描かれています。
本編は、魔王軍を始めとする『同盟軍』と破壊神ベルゼルファー率いる組織『セラフィム』の戦いである〝神魔戦争〟の千年後から始まります。
主人公であるムトウ・アラタ様は、地球の日本という国でごく普通の高校二年生として生活していましたが、私や精霊たちが五百年かけて進めていた計画によってソルシエルに召喚されました。
当初、私が女神であると知られると周囲に混乱を及ぼすため、共に新しい魔王軍を立ち上げたバルザス様が召喚したという話にしてもらいました。
アラタ様は神魔戦争で活躍した魔王グランの転生者であり、グランは神魔戦争でベルゼルファーと相打ちとなって死亡した後、ソルシエルにおける死後の世界〝ユグドラシルの枝〟に導かれました。
そこで豊穣の女神アンネローゼ、つまり私と出会うのですが、そこでベルゼルファーにかけられた〝魔力を封印する呪い〟を解くために五百年間共に過ごすことになります。
その間私達は夫婦のような間柄になるのですが、私の兄であるベルゼルファーが復活の兆しを見せており、このままではグランが危険と判断した私は、精霊達と共に彼の魂を地球へ転生させたのです。
その後さらに五百年が経過し、その間グランは数度の転生を繰り返しました。そして、アラタ様の代で全ての準備が整い今回の召喚へと至ったのです。
屋敷近くのお花畑で五百年ぶりに彼と再会した時にはムラムラ……いいえ、ドキドキしてしまいましたが、最初が肝心と思い可能な限り清楚な感じで接することにしました。
その甲斐あって、アラタ様は夢中で私の上から下までなめるような視線で見たのです。掴みはオッケー、作戦成功です。
召喚当初、アラタ様は大変混乱されており、私とバルザス様が状況説明をする途中で屋敷から逃亡してしまいました。
すぐに私が追いかけて事なきを得たのですが、魔物の群れと遭遇し戦闘となってしまいました。
魔王軍の仲間達が合流し魔物を全滅させた後は、水の精霊ウンディーネが現れ、呪いを解く方法と地球へ戻る方法を説明してその日は屋敷に戻りました。
どちらにしても、水の精霊ウンディーネ、炎の精霊イフリート、風の精霊シルフ、大地の精霊ノームという四大精霊との契約が必要であるため、彼らとの契約をするために旅に出るというところで第一章は終了となります。
第二章 炎の精霊イフリートと火竜の子
私達が旅に出てから数日後、私達魔王軍は炎の精霊イフリートとの契約のために彼を祀る祠がある聖山アポロを登っていました。
途中、仲間のセスとロックの間で険悪なムードが広がるのですが、その二人を仲裁したのは意外にも私達と距離を取っていたはずのアラタ様でした。
その後、魔王軍内の雰囲気は良くなり、途中で出現した魔物エンザウラーを撃破しています。その際、エンザウラーに襲われていたブレイズドラゴンの子供を保護しフランと名付けて、その日はキャンプをする事にしました。
翌朝、私が休んでいたテントの近くをアラタ様が通ったので、ちょっとエッチな声を出してみたところ予想以上の食いつきであったので、彼をテントの中に連れ込んでしまいました。
今思えば我ながら随分大胆な行動をしたと思いますが、転生して記憶がないとは言え、長年連れ添った思い人が近くにいるのに何もないまま過ごしていたら、欲求不満にもなりますよ!
あの時、フランがいなかったら多分最後までアラタ様とあんな事やこんな事をしてしまったでしょう。まぁ、結果的にはしばらくしてから結ばれるのでタイミングの問題ではあるのですが……申し訳ありません、脱線したので本筋に戻りますね。
この後、聖山アポロの頂上で炎の精霊イフリートと無事契約を済ませ、戻ってきたフランの両親であるブレイズドラゴン夫婦にフランを返して私達は聖山アポロを後にしました。
第三章 魔王と勇者
聖山アポロを下山した後に訪れた町マリクでアラタ様と私は、アストライア王国の豪炎の勇者スヴェンさんとアストライア王国第二王女のコーデリア様と知り合いました。
この時は互いに魔王と勇者という事実に気が付かなかったのですが、この後マリクの近くで行商人の家族が魔物の集団に襲われているという報を受けて出撃した際に、彼らと戦場で遭遇し互いの正体を知ったのです。
この時、行商人家族と彼らを護衛していた傭兵ギルド『ロシナンテ』を襲っていた魔物の群れにはアンデッドの集団と魔獣ベヒーモスの姿があり、後にベルゼルファー復活を目論む組織『破神教』の幹部〝十司祭〟の一人であるネクロマンサー、ガミジンの手引きであったことが判明します。
この戦いで共闘したスヴェンさんとアラタ様は互いに「正義の味方」という共通の目標を掲げ、アラタ様の呪いが解けたら真剣勝負の約束をしていたみたいです。
そう言えば、この魔王と勇者の二人組の初対面は本屋でエッチな本を奪い合うというものでした。
エッチ本購入の際、お金が足りなくて二人でお金を出して購入し、公園のベンチに座って二人で見る姿はなかなかシュールでしたね。
エッチ本の内容から、アラタ様はメイド好き、スヴェンさんはお姫様好きという事実が発覚いたしました。
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