ハネを持たない僕ら

あめ。

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 『ねぇ、神様。 なぜ人間を作ったのですか?こんなに醜くて汚い生き物を見て貴方様は、たのしいですか?私は、辛いです。痛いです。怖いです。早くこの世界から抜け出してしまいたい。私は、天使になりたいです。真っ白で美しい羽を持った天使に。もしここから飛んだら、私に羽が生えますか?天使になれますか? 天使になれた暁には、貴方様のお力になれるよう頑張りたいと思います。』


 学校の隣にあるビルの屋上から彼女は、姿を消した。あったのはきれいに折りたたまれたメモ用紙と2冊のノートだけだった。下には、真っ白なコンクリートに映える鮮紅色と、幸せそうに目を閉じる彼女がいた。そして遠くからは救急車の音が聞こえてきた。










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ハネを持たない僕ら あめ。 @ame02

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