第86話 紅蓮の刃 降伏
ユウヤはアモンがいきなり訪れていた来たことに驚いていた
「アモンどうした?」
「はっ!陛下の御友人を名乗る者をお連れしました」
「友人?まあ通して」
「はっ!」
「ユウヤ、生きていたのか!」
全裸のアルトがユウヤを抱き締めようと近づいてきた
「アルトさん!や、やめて近寄らないで!」
全裸のマッチョが襲ってきたのでユウヤは距離をとった
「貴様、陛下に何をする」
アモンが間に入った
「アモン助かったよ、ケツがヤバイとこだった」
「アルトさん、ゆうちゃんは私のですから手を出さないでもらえますか、シルクさんも躾はちゃんとしてください」
「チカごめんね、アルトやつ感動しただけだから許してあげて」
「シルクさん、アルトさんの聖剣折っていいですか?」
ユウヤは身の危険から草薙の剣を発動しようとしていた
「ユウヤも見逃してあげて!」
「しかし、お元気そうで何よりです、町を離れる時、忙しくて挨拶出来なくてスミマセン」
「いや、謝るのは俺達のほうだ、新人冒険者を守るのも先輩の役目なのにまさかギルドが誘拐するなんて・・・」
「アルトさんのせいじゃないですから、それより今日はどういう用件で?」
「恥ずかしい話だが、俺達の命を助けて貰えないか?」
「いいですよ、知り合いを意味なく殺す気はないですし、でも、戦場に戻るのは止めてくださいね、間違って死んでほしくもないですし、終わるまでこの本陣で待っててください」
「助かる、あと一緒にきた紅蓮の刃さんも助けて貰ってかまわないか?」
「いいですよ、同じく本陣でゆっくりしていてください、ただ俺やチカを狙うのは止めてくださいね、そこの剣士さん少し殺気が出てますよ」
ユウヤがセキを見て指摘した
「す、すまない、ただ聞いていいか?」
「なんでしょう?」
「何故このような虐殺を行っている?ここまでしなくても良いのではないか?」
「使節団が私の妻を陵辱しようとしました、それは法国の意志と受けとりました、私はただ法国を滅ぼすだけです、もちろんそれに加担した者も同じと考えてますが何か?」
「力の差が歴然だろ?降伏交渉とかしないのか?」
「嫌ならやらなければよかっただけです、俺達が負けていたら妻は陵辱され私も殺されたでしょう、その時に降伏するから許してくれと言っても受け入れられないでしょう」
「それでも、君も人間ではないか、魔族に味方するのはどうかと」
ユウヤは殺気を放ち、空気が張りつめた
「キサマは俺の部下を侮辱しに来たのか、先程命を助けると言ったが別にキサマは知り合いでもない、アルトさんの顔を立てたが、仲間を侮辱するなら話は変わる、ここで死ぬか?」
「ま、まってくれユウヤ!セキさんも何を言ってる、お互い落ち着いて」
「アルトさんのおかげで命拾いしたな、しかし、キサマも意見を通したいのならもう一度戦うか?ここに法国の言う人類の敵の首があるぞ」
セキは考えていた、見る限り普通の人、Sランクの自分ならたとえ素手でも首を折るのは一瞬だろう、仕掛けるか、足に力を込めようとしたが・・・
アモンの剣が首に置かれた
「キサマ、死ぬか?ここに私がいるのにそのような真似させるわけないだろう」
「ありゃアモン止めなくてもよかったのに~」
「陛下、お戯れを、私がいて下賎のやからに襲われたとあれば我の恥となります」
「うーまた戦えなかった、しかし、どうしようかな、やる気だったんだろ?敵対すれば始末するんだが」
「待ってくれないか、セキさんは俺の憧れの人なんだ、殺される姿は見たくない」
「うーん、アルトさんの言葉を聞いてもいいけど、それじゃウチの顔が立たないな」
「だ、だめか?」
「王様に襲いかかろうとしたらどうなると思う?」
「し、死刑かなぁ」
「そういうこと、俺が許しても周りが許さない」
ユナは震えながらユウヤに訴えかける
「へ、へいかお待ち願います」
「?君は?」
「紅蓮の刃のユナと申します、この度は仲間のセキ無礼申し訳ありません、しかし、先程まで戦っており興奮状態だったこと、今現在も冒険者の知り合いが、死んでいっていることで冷静な判断が出来なかった愚か者なだけです、どうか寛大な御処置をお願いします」
「ふーん、君、勇気があるね、この状況で庇えば命に関わるだろ?女性として考えると死より苦しい辱しめもあるだろう」
「お話を聞く限り、陛下はお優しい心の持ち主です、その方が女性を辱しめる真似はなさらないと信じております、それに礼節を持ち話せば理不尽な事はされないかと」
「ゆうちゃん、ゆうちゃん、この人ゆうちゃんの事をわかってるよ♪」
「はぁチカ~口を挟まないでよ~今、冷酷な魔王モードだったのに~」
「ゆうちゃんに似合わないからダメ~」
「仕方ない、ただ無罪放免は出来ない、ユナさん、どう始末をつける」
ユウヤはユナの決断を聞きそれ次第で処置を決める事にした
ユナは考え覚悟を決め言った
「紅蓮の刃セキの利き腕、右腕を切断します、これで冒険者を続けれないでしょう、これが罰でいかがでしょう」
セキは仲間のユナの発言に驚き動揺した
「ユ、ユナなにを言ってる」
ユナは涙を流しながら
「セキ、命が助かるにはこれぐらいしないとダメなんだよ」
「わかった、ユナさんの意見を取り入れる、アモン右腕を斬り、キズをふさいだあとは呪いをかけ回復出来ないようにしておけ」
「かしこまりました」
アモンは無慈悲にセキの右腕根本から切断キズをふさいだ
「これで回復は出来ない、陛下に逆らい命があるだけ感謝しろ」
「お、俺の腕が・・・」
「ユウヤやり過ぎじゃないか?」
「アルトさん、俺自身の侮辱は笑って受けれるが仲間の侮辱に対しては許す事が出来ない、そもそもアルトさんの顔を立てて命を助けている事が例外なだけ」
「しかし、腕がないともう冒険者としては・・・」
「引退だろうね」
アルトは涙し、ユウヤに何とかできないか聞こうとしたが
「陛下、恩情ありがとうございます、この御恩、私で報いる事ができるのなら何なりとお申し付けください」
ユナの覚悟にはその身を差し出すことも含まれていた
マナはユナの言葉に驚き
「ユナ!何を言ってるの!」
「いや、無理はしなくていいよ、女性がそのような事を言っちゃ駄目だよ」
「そうだよ、ゆうちゃんの相手は私だから、そういった真似はダメかな~」
「奥方さま、失礼しました、お二人の間に入るような意図は決してありません」
「わかってくれたらいいよ~ユナさんは綺麗な人だから特に警戒しちゃうし」
「お戯れを、私など奥方さまに比べればとるに足らないものです」
「ユナどうしちゃったの?」
「マナ止めろ、ユナはセキの命を救おうとしてる」
「リューどういうこと?」
「ユウヤは王だ、セキの行動は王に対するものではなかった、ユナはそれに気付き、王の顔を立てつつ最大限の譲歩を狙っている、セキの命の為に全てを差し出す覚悟だろう」
「そこまでしなきゃダメなの?あの人いい人そうじゃん」
「ただのいい人が、魔族を従えるわけない、さっき言った仲間の為というのは本気だろうマナも生き残りたいなら絶対ユウヤの仲間を悪く言うなよ、それがたとえ魔族でもだ!」
「わ、わかった」
「ここが俺達の戦場だ、気をつけるぞ」
「じゃアルトさん達は下がって休んでて、一応魔族が見張りにつくけど攻撃しないようにね」
「わかった、休ませてもらうよ」
「あと、服は着ときなよ、さすがに変態趣味全開は見るに耐えないよ、そういうのはシルクさんと二人でしてよ」
「これは生き残る為で趣味じゃない!」
「といって聖剣全開で言われても・・・目覚めた?」
「違うからな!俺はノーマルだからな!」
「ライさんやシルビアさんの迷惑にならないようにね」
シルクは自分が含まれてない事に不思議に思い
「私の迷惑はいいの?」
「シルクさんはアルトさんの共犯じゃん二人で楽しむのは止めないよ」
「私も趣味じゃないからね」
「まあまあ、わかったわかった、そういうことにしとくけど、チカには教えないでね」
「信じてないでしょ!」
「陛下、そろそろ前線に戻りたいのですかかまわないでしょうか?」
「あーアモンごめん、この人達の見張り頼める?」
「陛下が望まれるなら何なりと」
「ありがと、じゃあ任せるよ、殺さないようにね」
「はっ!おいお前らこい」
「じゃあね~落ち着いたら、また話そう」
「わかった、また後でな」
アルトは手を上げアモンについて下がっていった
「ゆうちゃん、だいぶ譲歩したけどよかったの?」
「アルトさんにはこっちにきた時世話になったから多少は融通しただけ、ってか久々にあったら、全裸で笑えたから毒気抜かれた」
「なんで、裸で真面目に話してるのかな?」
「俺があげたアイテムを使用するからだと思うよ、防御はあがるし」
「あーあれ?使ってるの?」
「アルトさんM だし、喜んで使ってるのかも」
「うわぁ~アルトさんにひいちゃう」
「あんまり、悪くいったらかわいそうだよ」
ユウヤとチカは笑いながら話していた
その為、怒りが少しおさまっていた
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