第85話 冒険者 紅蓮の刃

伝令兵が冒険者達の所に来ていた

「冒険者達は前に出ろ、魔族を駆逐いたせ」

本陣から指令が届き冒険者は前進する


紅蓮の刃

セキは仲間に伝える

「ついにきたか、みんな死ぬなよ」

リューはセキに答え

「無理はしないさ」

決戦まで軽く話を緊張しないようにしていた


そこに虎の爪のライが話しかけてくる

「あの~紅蓮の刃のリーダーセキさんですよね?」

「うん?君は?」

「自分はB級パーティーの虎の爪ライです、以前から憧れていました、同じ戦場で戦えることを光栄に思います」

「ありがとう、ライ君も無理しないように」

「はい!仲間と足を引っ張らないよう努力します」

ユナは虎の爪の噂を聞いたことがあった

「虎の爪?あのM級がいる?」

セキはユナが知っている事に驚きたずねる

「ユナ?何か知ってるパーティーなのか?」

「知ってる、魔物の攻撃受けながら、仲間に鞭うたれるタンクがいるんでしょ、しかも無傷で耐えきるとか」

ライは顔をしかめながら

「たしかにウチのリーダーアルトはその、そーいった戦闘スタイルです」

「えーアルトって実在したの?ウソ!何で変態とパーティー組めるの?」

「いえ、特殊なアイテムの効果でして、け、けしてアルトの趣味では」

ライは汗をかきながらリーダーアルトの弁明をしていた

セキは顔をひきつらせながら

「変わったしゅ・・・アイテムなんだな」

「たまたま知り合った冒険者に格安で貰ったんですが効果は絶大、でも変といった物で」

「なに、冒険者は結果が全てだ、周りに何言われても頑張りたまえ」

「ありがとうございます」

いつまでも軽口で話しているセキにリューが警戒を促す

「オーイ、お話はそれぐらいでソロソロ前線つくぞ」

待機していた森を抜け1陣があった所についたがそこは地獄絵図になっていた


王都ギルドマスター シバが冒険者を指揮していたが・・・

「な、なんだ、此処は何故このような事ができる」

混乱するシバに事務官として同行しているヒョウが指示を求める

「マスター、ご指示を!」

「ああ、冒険者諸君、魔族の手から法国を救うのだ各自攻撃を開始せよ」

しかし、自分から攻撃にいこうとする冒険者はいなかったが魔族が冒険者に気付き向かってきた

「何をしている、戦え!死にたいのか!」

ギルドマスターの声で正気を取り戻し戦闘が始まった


セキは魔族の攻撃を受けながら思わず声が漏れた

「くっ!強い!」

「前に出すぎない、焦らずじっくりいきましょう」

ユナはセキの突出を押さえつつ、安全を考えていた

そのかいもあり紅蓮の刃は向かってきていた魔族と対等に戦っていた

その中でマナは冷静に自分達の余力を考えていた

「でも、指揮官クラスはどう戦う?もう余裕はないよね」

セキは現状のマズさに気付いており愚痴がこぼれる

「今来られたら負けるな!」

リューはセキが弱音を吐いてることを注意する

「弱気になるな、目の前に集中だ」

ユナは限界を感じており

「ソロソロ撤退も考えていいんじゃない?」


「それは困りますね」

セキは声の方向に剣を構える

「誰だ!」

「私は魔貴族のアモン、魔族の部隊長といったとこですよ」

「なら、お帰りくださいっと!」

リューは投げナイフをアモンの頭に投げつけた

ナイフはアモンの頭に当たるが刺さる事無く地面に落ちた

「話してる時に無粋な人ですね」

「やはりこれぐらいじゃあダメか」

「ならば!」

セキは三連突を放った

キン!アモンに刺さる事はなかった

「攻撃が効かない!」

ユナはセキとリューが仕掛けた隙に詠唱を行っていた

「みんな!どいてサンダーレイン!」

アモン目掛けて雷が雨のように降り注ぐ

続いてマナもユナと同じく詠唱をしており二人の連携は見事なものだった

「神の名の元に邪悪な者を滅せよ、ホーリーアロー」

聖なる矢がアモンにささる

「やったか!」

土煙がおさまったが、そこにはほぼ無傷のアモンがいた

「なかなかの攻撃でしたね」

セキは驚愕する、二人の攻撃は完璧だったはずなのに・・・

「なに、無傷だと!」

「いえいえ、多少キズをおいましたよ」

リューは勝てない判断をした

「セキ、まずいぞ」

マナも勝てないとセキに訴える

「撤退しよう、勝てないよ」

「よし、撤退だ、遅れるなよ」

「逃がしません」

アモンはセキの両足を切り飛ばした

「ぐわっ!」

「セキ!」

「よくもセキを、聖なる光よ、この地を清めたまえ、聖域」

マナは自分が使える最上位の結界をはった

「急ぎ止血を!」

リューはポーションを振り掛けキズをふさいだ

「セキは俺が担ぐ、みんな下がるぞ!」

「逃がさないと言ったでしょう」

アモンはマナが作った聖域を破壊した

「そんな!私の結界が簡単に破壊されるなんて」

「もう、ダメかな、あんな死に方はやだよー」

ユナは諦め、泣いていた

そこに虎の爪アルトが助けにきた

「まてい!紅蓮の刃さん加勢します」

そこには全裸に剣を持つ変態がいた

ユナ、マナ「「きゃー、だ、だれ?何で裸なの、しかも、立ってるよ、なんで!」」

「ここは俺に任せて後ろに下がってください」

セキは変態に話しかけたくはないが代表して話しかけた

「君は虎の爪のリーダー、アルトくんか?」

「はい、昨日ライがお世話になりました」

「敵はかなり強いが、そ、その・・・その装備で大丈夫か?」

「大丈夫です、とあるアイテムの使用条件でこの姿ですが、効果はあります」

「そ、そうか、わかった、任せよう、無理はするなよ」

「大丈夫です!それより後ろに仲間がいますから回復してもらってください」

「助かる!」

紅蓮の刃は下がっていった

「逃がさないと言ったでしょう!」

アモンは紅蓮の刃を仕止めようとするがアルトが立ちふさがった

「ここは通さん、通りたければ俺を倒してからにしろ」

「なんだこの変態は!さっさと始末してやる」

アモンは首をはねようよするが剣がアルトに届く事はなかった

「何?何故攻撃が届かん」

次にアモンは炎の矢をアルトに放った

「灰になるといい!」

しかし、炎の矢もアルトに届く事はなかった

「どうした?ぬるい攻撃だな」

アモンが激昂しながら

「人間の変態風情が!」

アモンは激しい攻撃を連続で繰り出していた

アルトに届く事はなかったが


その頃、後方に下がった紅蓮の刃を回復させようと虎の爪のシルクがきていた

シルク「今、回復しますから服を脱いでください」

セキ「ケガは足だが服を脱ぐのか?」

シルク「特殊なアイテムを使います、その為に必要なのです」

セキは仕方なく服を脱ぐ

シルクは舌なめずりしながら

「では、いきますね」

鞭を振るい、セキの背中を叩く

「うわっ!何をする!」

「回復して、差上げてるのですよ、このブタ野郎、さっさとその身を私に委ねなさい」

更に叩く

「あう!ふ、ふざけるな!誰がブタだ!」

「アラアラ、まだまだ、元気ですね!でも、ご自分のムスコさんは正直ですよ」

セキは自分の股間を見た

「な、なんで!いやこれは違う」

「正直になりなさい、このブタ野郎!」

更に叩く

「あん、ち、ちがう、俺はこんなので興奮しない」

シルクはセキが何を言っても叩くのを止めなかった


少し離れて見ていたユナとマナは

「ねぇ、ユナ?何でセキ叩かれてるの?」

「マナ、私にもわかんないよ、止めた方がいいのかな?」

「でも、セキ嬉しそうだよ」

「そんな趣味あったのかな?」

「えーやだなぁ~、ちょっと見るめ変わるかも」

「で、でも、セキが望むのなら答えてあげないといけないのかな?」

「ユナ、そっちの道は行っちゃだめだよ、他の男さがそうよ」

「で、でも、マナ、私はセキがいいよ」

リューは二人の会話に割り込んだ

「お取り込み中失礼するが、二人ともセキの足をよく見ろ」

ユナとマナはリューに言われて、セキの足を見た

「ア、アレ?マナ?足がはえてきてない?」

「うそ、回復魔法じゃ無理なはずなのに?」

「あの行為が回復させてるのかな?」

「噂にあった虎の爪のタンクを叩いてたのはその為か!」

そこにライとシルビアが来た

「そうです、見た目は悪いですが回復効果は抜群です」

「おかげでプリーストの私の出番が減ったんですけどね」

虎の爪の残りパーティーが合流してきた

「虎の爪か?救援感謝するリーダーの回復までしてくれてホントに助かってるよ」

「いえいえ、しかし、この後どうしますか?俺達防御はアイテムの力でありますが、攻撃はありません」

「攻撃のアイテムはないのか?」

「たまたま知り合った奴に貰っただけですからね」

「そいつは今どこに?」

「ギルドに仲間をさらわれ、取り返す際にギルドを壊滅させ、取り押さえようとした兵士も倒し逃走しました」

「何?なんでそんなことができる?頭おかしいのか?」

マナは噂を思いだした

「聞いたことある、セイコーの町だよね?フェンリルほしさにギルマスが暴走したとか」

ユナも、マナに言われて思いだした

「あーわたしも聞いた、テイマーの女の子をさらって陵辱しようとしたんでしょ」

「そうそう、それを彼氏が命懸けで助けた話だよね」

「不謹慎かもしれないけど、女の子としては憧れるよね~」

「ん?なんか?引っ掛かりが、ならライお前達はその男と仲がいいのか?」

「リーダーのアルトが上手く話しかけたみたいで数日だが仲良くしてたと思う」

「名前はわかるか?」

「ユウヤとチカって言ってたな」

「賭けになるが、俺達助かるかも知れないぞ」

「どういうこと?」

「この戦い、法国の使節団が魔族との和平交渉に訪れた際、とある女の子を陵辱しようとしたことから始まってるらしい」

「うわっ、さいてー」

「使節団にいた奴の話だと敵の大将の名前はユウヤと言ったらしい」

「それってもしかして、敵のトップ?」

「可能性はあると思わないか?」

「ユウヤならチカに手をだされると切れるでしょう、見る限りお互いベタぼれでしたし」

「ギルドと敵対するぐらいだ、保護欲は普通じゃないだろ」

「このままじゃ逃げる事も出来ないし、かけてみる?」

「どう交渉するの?」

「危険だが魔族の指揮官に話かけるしかないだろ、アルトに声をかけユウヤとの関係を伝えれば」

「他の冒険者はどうする?」

「俺達に指揮権はない、冒険者らしく自己判断で動こう」

ユナは罪悪感から愚痴がでた

「見捨てるのかな・・・」

「ユナ、仕方ない事だ、俺達だけでも生き残るぞ!」

「で、誰がアルトの所に?」

リューは覚悟を決めていた

「それは俺が最初に行く、だが魔族に伝える前に死んだら、次はライ頼めるか?」

「生き残るのはこれしかないみたいだし、請け負います」

「よし、では行ってくる、セキ達を頼む」

リューはアルトの元にかけていった


「はあ、はあ、何故攻撃が効かない」

「友の友情の力だ!」

「ふざけたことを!」

「待ってくれ!!」

「「!!!」」

「何用ですか?」

「俺は大丈夫だから下がってください」

「ちがうんだ、アモン、俺達はユウヤの知り合いだ!見逃してもらえないか」

「なに?陛下のお知り合いだと?」

「リューさん、ユウヤとアモンどんな関係がある?」

「陛下を呼び捨てとは不敬な!」

「陛下?ユウヤは新人冒険者で守ってやれなかったが俺は友だと思ってる!」

「ま、まさか、陛下の友と言うなら命は助けましょう、しかし、違えば死んでもらいます」

「ああ、それは覚悟のうえだ」

「なら武器を捨て、関係者を連れてきなさい、陛下の元にお連れしましょう」

「ユウヤにあえるのか?」

「陛下の友人がこんな変態とは思いたくないですが、一応確認してみる必要があります」

「わかった、従おう」

アルトとリューは剣を置き仲間を呼んだ

シルクはアモンにたずねる

「アモンさん、この鞭はユウヤに貰ったやっだから持ってていいかな?」

「陛下から!持っててもいいが、私にくれてもいいんですよ」

「持ってます」

「ああ、仕方ない、陛下が差上げた物なら取りあげるわけも行かないですし、では行きますよ、転移」

アモンは本陣に虎の爪、紅蓮の刃を連れ転移した


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