第72話 閑話 法国

魔王アンネが復活した頃

神官が走ってきた

「法王さま大変です」

「なんだ、騒々しい」

「ま、まおうが復活しました」

「なに、誰が封印を解いたのだ、まずいまだ勇者さまは魔王と戦わせられない、訓練を早めろ急ぎ強くなってもらわねば」

法王は世界の危機に震えていた

それからというもの法王に来る知らせは酷いものだった

法国には世界にいる高位モンスターを知らせる水晶がある、それには大体の場所、種族、強さが表記されるがある時から続けて表記が増え続けていた

「法王さま、今朝、確認したところファフニール(悪竜)、ケルベロス(地獄の番犬)、バジリスク(石化能力を持つ蛇の王)、ヴリトラ(神殺しの邪竜)が増えておりました」

「ねえ、世界で何が起こっているの?このペースで高位モンスター増えたら誰が倒せるの?しかも全部魔王城にいるじゃん、どうすんのこれ」

法王は混乱していた

神官の1人シリウスが提案する

「魔王に使者を出し、友好を模索するのはどうでしょう、うまくいけば世界は救われます」

「殺されるかも、知れない使者にだれがなる?」

「言い出しの私が参ります、世界を救って見せます」

「条件はどうする?」

「互いの交戦禁止と互いの生息圏で国境を引き侵入禁止、ゆくゆくは交易を視野にいれた通商条約の準備ぐらいですか?」

「国境が難しいが、この辺で交渉を初め、ここまでは譲歩できるぐらいだな、各国に打診してみよう」

法王は事態をなんとかしようとしていた

しかし、事態は悪化していった


「法王さま、一大事です」

「なんだ、やっと各国との調整がすんだとこだぞ、これ以上の問題はお断りしたいが」

「それどころではありません、偵察に出ていた者の報告で魔王城に高位魔族が終結しております」

「なに、魔族が統一されたのか?人類は終わってしまう、急ぎ使者を出す、準備を」

法王は準備を急がせ、使者を出した

上手く行くことを願いながら


使者が魔王城に向かっている頃法王の元にもう1つの難題が来た

「何!勇者さまが1人だけで帰ってきただと!」

法王はマコトに確認したが内容は絶望的だった、しかし、落ち込んでも始まらない、法王はマコトを励まし、再び戦ってもらえるよう促し、聖剣奪還計画を立てた

それは法国自慢の十二使徒を使い奇襲をかけ奪うもの

現在進行中の和平交渉次第での返却を求める方法などだった

・・・がどう考えても成功確率は低く頭を抱えていた

「神よ、この苦難を乗り越える力を与えたまえ」

法王は神にすがり祈るだけだった


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