第9話 酒場

酒場に向かうとアルトさんは三人の人と呑んでるようだった。

「アルトさん登録出来ました。」

チカが笑顔で挨拶する。


俺は気配を消し他の仲間を観察する。

「おーチカちゃん、おつかれ。」

アルトは挨拶をかえしてくる。

「ねえ、アルトその可愛いお嬢さんはどちらさまですか?」

見た目魔法使いのお姉さんがアルトを睨みながら聞いてくる。

「まて、この子は!」

「アルトさんには道に迷っている時に優しく声をかけてもらいギルドまで案内して貰いました。」

「ふーん、あんたそんなに優しい人間だったかな?

幼馴染のわたしが知らない顔があるのかな?」

「ちょっと、誤解だ!、この子1人じゃなくてこの子の恋人も一緒だった!」

「どこにいるの?、居ないじゃない嘘つくならもっとうまく言いなさい!」

「嘘じゃない、本当だ信じてくれ!」

「今なら子供をナンパした下心は見逃してあげるから正直に話しなさい。」

「違うって、俺にはおまえだけだって。」

「ふーん、なら今晩体に聞くけど、嘘だったらどうなるか覚悟しときなさい。」

「えっ、いや、嘘じゃないからすることないよ。」

アルトは少し顔が赤くなっていた・・・


「あっ、これがあの趣味ってやつですね。」

チカが顔を赤らめながら爆弾を投入する。


「あんた、子供になにを教えているの、お仕置きが必要ね。」

「だから、ち、ちがう・・・」

「そこの綺麗なお姉さん、お仕置きするにはいい商品が・・・」

こっそりだした帽子を深くかぶりながら話かけた。


「あんたは?」

「しがない商人ですが話は承りました、店には並べられない夜のアイテムをお渡ししますぜ。」

「ふーん、どんなのが?」

「こちらの鞭はキズをつけながら癒すという変わった効果があり、

こちらの蝋燭はなんと蝋を垂らすだけで感度が二倍にしかもキズはつかない仕様となっております。」


「て、てめー、ユウヤだろ、やめろってそんな趣味はない!」

「うるさい、これって高いのかな?」


「普段だと銀貨3枚のところ、今なら銅貨3枚でプレゼント」

「あら、そんなに安くていいのかな?」


「かまいませんよ、ただ今だけです今だけのお値打ち価格、楽しい夜のお供に、マンネリ化した恋人とのアクセントに、変わった趣味の彼氏の期待に答えるお姉さんに、さあ手にとってください!」

「だ、だまされるな、ユウヤやめろー」

「買うわ、はい銅貨3枚。」

「まいど、効果に不満があれば取り替えもききますの見掛けたら声をかけてください。」

「あら、親切ね~その時はヨロシクね。」

「でわ、失礼しま・・・」


「ゆうちゃん、なにしてるの?」

「あら、ばれた?」

「ばれるよ、なにその怪しい商品?どこで手に入れたの?」

「神様がくれた。」

「えっ!なんでそんなものがあるの?」

「きっと、優しいアルトさんにお礼するためにあるのさ。」

「俺は望んでいない、早く誤解を解いてくれ。」

「仕方ないなぁ、お姉さんユウヤと申します。

アルトさんにはギルドまでの道を案内してもらい感謝しております。」

「あら、男の子もいたのね?ナンパじゃなかったのかな?」

「それはわかりませんが、俺もいたので違うと思いたいです。」

「おまえ否定するなら完全にしろよ。」


「ただ、その際お二人の夜の御趣味に対して熱く語られましたので、このようなアイテムをご用意さしてもらいました。」

「初めてあう人にしゃべるのはどうかな~」

鞭でアルトをしばく。

「いたっ!あれ赤くならない。」

「大丈夫、効果に嘘はない。」

「あら、いいものね~」

もう一度鞭を振るう。

「いたっ!まて、ユウヤ恩を仇で返すな!」


「あの笑顔で言われても困るのですが、後、股間を隠して貰えませんか?チカの目には毒なので」

思わずみんなの視線がアルトの股間に、そこには戦闘態勢の聖剣が準備されていた。


「やっ!?」

チカはすぐに目を反らしたが周りの皆さんは・・・

「ギャハハ、アルトマジか?本間のMか?」

「ありえねー、せめて隠せよ!」

「おまえは最強のタンクだ、そりゃBまでイクよ!」

「イヤイヤ、奴はM級だ。」

「違いない。」

酒場全体から笑い声が・・・


「ねぇ、あのムチよくない?」

「他にどんなのあるのかな?」


『あれ、なにやら違う声も・・・うん聞かなかった事にしよう、』

俺は耳に入ってきた危険な言葉を聞かなかった事にした。


酒場が混乱している中、アルトのパーティーメンバーが挨拶をしてきた。

「お見苦しいところを見せてるがアルトのパーティー虎の爪の剣士ライだヨロシク、君とは長い付き合いになりそうだね。」

笑いながら声をかけてきたイケメンはなかなかフレンドリーだった。


「こちらこそ、俺は剣士のユウヤ、こっちはテイマーのチカ、アルトさんには世話になっています何かあれば声をかけてください。」

するともう1人のパーティーメンバーが、


「わたしはプリーストのシルビアあっちのムチ打ってるのは魔法使いのシルクよろしくー」

「なんで、世話になってるのにこんなことを?」

ライさんが聞いてきた。

「アルトさんの欲望を叶えるために努力しました。」

「はあ、まあ嬉しそうだしいいけど。」

「では、俺達はこれで。」


「えっ、この混乱を放置?」

「俺達、宿探さないといけないのでそろそろ行かないと、そうだ、どこか良いところあります?」


「ならしかたないか~予算があるなら龍安亭がいいよ、あとは小鳥の宿もなかなか場所はここから大通りを西に歩いてたら二つともあるから。」

「ありがとございます、ではこれで失礼します。また、見掛けたら声をかけてください。」

「そうするよ、じゃあまたね。」

ライさんたちと別れギルドを後にした


「まて、ユウヤ、俺を助けてーーー」

後にした・・・

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