第17話への応援コメント
最後の方の数話、回復していく柳田の様子に、やるせなさでいっぱいになりました。
本人も自覚した通り、この事件を起こして初めて、いわゆる真っ当な人間らしい生を知ったんですね……
赤木ちゃんにぶつけた癇癪は本当はお母さんにぶつけたかったようなものかもしれませんし、社会の中では柴田刑事みたいなちょっと面倒な人とも関わり合いになることもある。
私には、柳田が特別に異常な人には思えませんでした。彼の人生で何か少しでも違っていたら……と、本気で思いました。
そしてこの最終話。
赤木ちゃんの心境を考えると、これまたやるせないですね……彼女の強さがすごいです。
最後にこの落とし方、お見事でした。
すごく面白かったです!!
作者からの返信
陽澄様、最後まで読んでいただき、そしてこの作品に真摯に向き合っていただきありがとうございました。素敵なレビューもありがとうございます、とても嬉しいです!
人は結局自分の視点からしか物を見ることが出来ないのだと思います。だから、柳田のような人間に対して理解を示すべきなのか……作者である私自身も意見は定まっていません。
何か考えるきっかけにこの作品がなってもらえれば、それに勝る幸せはありません。
どうもありがとうございました!
第12話への応援コメント
>人は自分の意志でどれだけのものを選べるのだろうか?
この一文が、ものすごく重要に思えました。
たぶん柳田だけでなく誰しもが、少なからず世の中の不条理や不平等を感じているし、そのせいで思い通りにならないことだってある。
善悪の判断基準や行動原理は人それぞれですが、明らかに誤った行為は法律や周囲の人間関係がストッパーになり得る……柳田には、きっとそれがなかったんですね。
作者からの返信
「人は自分の意志でどれだけのものを選べるのだろうか?」
おっしゃる通りこれがこの作品のテーマだと思います。
柳田がもっと若いうちに人間関係を築いていれば、こうした偏った考えに陥ることはなかったでしょう。……しかしそれをしなかったのは本人の意志なのか?答えを出すのは難しいでしょう。
コメントいただきありがとうございます!
第6話への応援コメント
「なぜ人を殺してはいけないのか」と「なぜギャンブルであるパチンコは認められているのか」という問いの根本に、共通のものがある気がしました。
どちらも、法でそう決めらているからに過ぎないんですよね。戦時下では、多く殺した方が英雄です。
殺人犯、刑事、そして医療者。
命をどう捉えるかというテーマ、すごく面白いです。
作者からの返信
陽澄様、読んでいただきありがとうございます!
柳田は一般的な意味では頭のおかしな無差別殺人犯ですが、その問いは本質的なものだと思います。
そうした部分に引っ掛かりを覚える方には興味を持っていただける作品なのではないか、と思っております。
引き続き読んでいただければとても嬉しいです!
第17話への応援コメント
こういう話が犯罪者の視点で語られるのは少ないと思うのでとても興味深かったです。柳田が取り調べの時に、客のことをこんな状況でもパチンコ店に来るクズ、みたいなことを言っていた時、従業員は?と思ったのですが、この最終話で腑に落ちました。
最初は柳田に対してテロリストのようなイメージを持っていましたが、刑事や病院の人たちが彼を多面的な角度から映す鏡のようで、一人の人間の色んな部分を見せるように思いました。犯罪者の人間性を一括りにするのはたやすいですが、結局は個人に還っていくものなのでしょう。そこには明確にこれだと言い切れるものなどないのかも知れません。
色々と考えさせられました。
作者からの返信
柊様、読んで下さりありがとうございます!
何か大きな犯罪が起こると、私は加害者側の心情や事情に興味を持ってしまいます。作中で柳田も語っていたかと思いますが、犯罪に至る人間にはそこに至る必然性があるのだと思います。
だから加害者に対して情状酌量すべきだ……とは思わないのですが、世間は「頭のおかしな犯罪者はとっとと死刑にしろ!」という声があまりに大き過ぎるように感じていました。
生まれた状況が状況が違えば自分もそうした犯罪者になっていたかもしれない……普通の人間と異常者との差はそれほど大きなものではないかもしれない……そうした想像力が欠如しているのではないか、そんな世間への反発心からこの物語を思い付きました。
この作品はあまりに直接的過ぎて、もう少し小説らしい展開を作れなかったか……という反省もあるのですが、テーマ自体は自分にとって本質的なものだと思うので、またいつか形を変えて書いてみたいと思います。
だいぶ以前の作品だったので、こうして読んで評価していただけるとは思っておらず、嬉しい限りです。
どうもありがとうございました!
第13話への応援コメント
僕がもし柳田みたいな死刑が迫っている身だったら、こんなに怒るエネルギーはないと思いました。が、人間って死にそうになった後でも、しばらくすると嫌でもこういう風にエネルギーが戻ってきちゃうんですよね。。
一度死んだ身(死にそうになった身)から、柳田はアライブしたわけですが、
これだけじゃあマインドセットは変わらないと思いました。僕も死にそうになっても一瞬心が変わったけど、その後すぐにマインドが元に戻ってしまっていた。その後が大事で、死にそうになった後にさらにそれとセットで″人を信じれる感覚”を何処で持つかが大事なんじゃないかと思いました。そこは、赤木さんに託したいたころです。
第17話への応援コメント
全く予想していないラストに、涙です。
赤木ちゃん、お疲れ様でした。大切な弟を殺した柳田を誠心誠意看護して……。
シャンプーした時どんな気持ちだったんでしょう。
仕事のプロを超えて人格者ですね。泣けてきました。
もし、柳田が知ったらどう反応したのか気になります。
柴田さんが遺族への謝罪をすすめた気持ち、今やっと分かりました。
自分の手で復讐する事も出来たのに、そんな事をしたら弟の犠牲が無駄になります。
赤木ちゃんにはこれから幸せになって欲しいですね。
とっても印象に残る感動作品です。
ありがとうございました。m(__)m
作者からの返信
ハナスさん、最後まで読んでいただきありがとうございました。
赤木ちゃんはどんな辛いことがあっても幸せになれる強い人だと思います。
自分と弟のことを明かしていたら柳田はどう反応したでしょうかね?
赤木ちゃんのあまりの聖母っぷりを真っ直ぐ受け止めるのは…柳田には少し難しいかもしれませんね。
毎回コメント頂けたことが、とても嬉しかったです。励みになりました。本当にありがとうございました!
第10話への応援コメント
マザコンとはストレートすぎますね。
柴田の性格が表れています。根はいい人だと思いますが。
喧嘩で負けると抱きしめてくれたのに、愚痴に変わる母親の心の荒み方がリアルです。女手ひとつの苦労、自身の病、息子を一人残す不安からの愚痴でしょうが、
柳田の生き方に影響を与えたでしょう。
呪縛から逃れて環境を変えても、心は……。
今回は母親に感情移入してうるっとしました。( ; ; )
作者からの返信
ありがとうございます!
実際には柴田のように衝動的では刑事は務まらないと思いますが(笑)
母親も柳田のことを愛していなかったわけではないと思います。
この作品では描かれませんが、母親にもこうなってしまった必然性があるのでしょう。
引き続きお楽しみいただければ幸いです。
第17話への応援コメント
こんにちは。
普通は感情移入のしにくい大量殺人犯を主人公に、その心の動きを丁寧に描写する物語が新鮮で、じっくり読み入ってしまいました。
確信犯的に、ときには自らをヒーローに見立てて陶酔する主人公の考えを、正当化するわけでも貶めるわけでもなく描き出す手腕は読みごたえ十分でした。柴田刑事と赤木看護士が物語を引き立てていましたね。最終話まで心のうちが読めなかった赤木看護士の背景には驚かされました。
ありがとうございました!
作者からの返信
久里琳様、最後までお付き合いいただきありがとうございました。この作品はカクヨムに初めて投稿した作品で、未熟な部分も多いのですが気に入っていた作品なのでお褒めいただき、とても嬉しいです。
こちらこそありがとうございました!