33回目 みんなお友達
「聖女マリを害した事、明白だ。言いたいことはあるか?」
「そ…」
「申し訳ありません。確かに私、嫉妬のあまり手を出してしまいました。ローザー様は関係ありません。如何様にも罰を受けます」
「お、おう」
婚約破棄の断罪中です。
でも、なんだか様子がおかしいの。
王子が私に聞いて、私が否定しようとしたら、令嬢の1人が私の前に立ち、罪の告白を…
「しかし、ローザが手引きしたのだろ…」
「いいえ違います。私が…」
「いいえ、違うわ。私がやったのよ。王子とあまりにもいちゃいちゃしていたから」
「てびk」
「みんな責めないで、私よ。私が全ての黒幕よ。王子と聖女さまの砂を吐きそうな砂糖50倍の甘さを塩気に変えようとしていたのよ」
(砂糖50倍か、確かに砂を吐く)
「そうか、そうか。お前たちは全員、罰をうけt」
「私も「私も「わt…「「「「∞?」」」」」」」
結局、そこにいた令嬢全員が自らの非を認め、罰を受けることを望んでいた。
最後の方は、むしろ取り残されるのが嫌で、(×)嬉々 (○)危機として告白していたが。
「ど、どうすればいいのだ」
動揺著しい。
肝心のローザは、セリフを最後まで言っていないことも頭が回っていないようだったが、
「ええい、面倒だ。皆、我らの仲が良いことでの所業だろう、無罪放免としよう」
「まぁ、私は何もしていませんが、ありがとうございます」
「あ」
しまったという顔をする王子。
王族というのは、一度口にしたものを取り消せない。
「マリ、行きましょう~」
「そうね。疲れちゃった。みんなで行きましょう」
「聖女マリ?」
「みんなありがとー。私も無罪放免になりました。この王子、甘えん坊でぇ~」
「∞「きゃー」∞」
「ちょ」
男1人、女多数の卒業パーティー前のホールでの出来事でございました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます