10回目 和やかな空気

神さまは、戻ってきませんでした。


しかも、さっきはショック死まで。


神さまめぇ~


そして、今は卒業パーティーの真っ最中。


王子だけではなく、王族一同勢揃い。


最初の時と似ているけれど、王子が好きになった相手はいなかったし、無理なこともしなかった。

大丈夫。


これなら、婚約破棄は確定で、生き残れる。


ん?

なにか変じゃない?


王子が手を叩き、みんなの注意を引く。


「今日は卒業パーティーだ。みんなに楽しんで欲しい。ただし、その前に聞いてもらいたい。私は、このk」


「ごめんなさい、すみません。すぐに退場しますから命だけは…」


その言葉に、王子はなぜか苦笑い。


王族一同も、なぜか笑顔。


周りの人もなんだか和やかな空気が流れている。


こうなりゃ自爆よ。

って、魔力なかった!


薬よ

って、持ってこられなかった!


ショック死よ

って、どうやるのよ。


「うーん」


そのまま倒れた私は、気がつけば、どこかのベッドの上。


死んじゃったのかな?

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