墓参り
角谷鳰
トンボ
太陽が強く照りつけて茹だりそうな暑さのなかをふらふらと田んぼの周りの道を歩いていく。
別に目的があるわけでもない。墓参りに来たはいいが親は親戚と話し込んでいて暇だったから墓参りに行くまでの暇つぶしでしかない。
「トンボだ」
あれはオニヤンマだ。虫取りを最後にしたのはいつだったか。8年は遡るだろうな。
…親戚の家にも虫網はないだろうな。みんなそんな歳でもないし。手であのオニヤンマを捕まえられるのか?
いや、なんで捕まえようとしてるんだろうな。自分のことながら不思議だがなんとなく捕まえたくなった。
しばらく立ち尽くして眺めていて捕まえ方にコツがあったのを思い出した。とはいっても虫網がないと厳しいか…。
「帰るか」
相変わらず暑い。
墓参り 角谷鳰 @Manaziri
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