カカオ豆からチョコレートを作ったというエッセイ。
ひじりあや
カカオ豆からチョコレートを。
普段──というほど普段ではないけれど、わたしは趣味で小説を書いています。ネットに載せているものは少なく主に同人誌にしていて、最近ではお菓子を題材にした『陽のあたる世界でお茶会を』なんて短編を書きました。内容は他愛ないものなので特別紹介はしませんが、作中でカカオ豆からチョコレートを作るシーンがあります。
そのシーンのために、わたしもカカオ豆からチョコレートを作るのに挑戦しました。ちょっとめずらしい体験なので、せっかくだから文章にしておきたいと思って書いたのが、このエッセイです。
手作りチョコレートと聞いて多くの人が思い浮かべるものは、市販品のチョコレートを湯煎で溶かして、型に入れて冷やして固めるものだと思います。
そして意地の悪いわたしなんかは、市販のチョコを溶かして固めただけなんて手作りなんて呼べない、手作りチョコレートを名乗るのならカカオから作ってこそだろ、だなんて思っていました。自分でチョコレートを手作りする前までは。
実際にカカオ豆からチョコレートを作ってみた結果、わたしは宗旨替えをしました。せざるを得ませんでした。市販のチョコレートを溶かして固めたものは手作りです。
もしもバレンタインデイにカカオ豆からチョコレートを作る女の子がいれば、わたしはその女の子を尊敬します。もしもバレンタインデイに、女の子からカカオ豆と砂糖だけで作ったチョコレートを手渡されて、それを受け取らなかった男性がいたら、わたしはきっと彼を呪います。
先に書いてしまうけれど、わたしは最初、カカオ豆と砂糖だけでチョコレートを作ろうとしました。失敗でした。何度か試して一度たりとも成功していなくて、今やっても失敗する未来しか見えません。カカオ豆からチョコレートを作るのは、めちゃくちゃ大変なんです。
その話を少しずつ書いていきます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます