俺の後輩は、なんやかんや俺に絡んでくる。

窓カラス

第1話

キーンコーンカーンコーンと、抗議の終了を告げる鐘の音が俺の耳に届いた。

その瞬間、俺は夢の中から現実に戻された。

そして、その音が俺の耳に届いた瞬間。

俺の瞼は、カッと物凄い勢いで開かれた。

だが、それも束の間。

前日の徹夜のせいで、上瞼と下瞼が物凄い勢いで閉じそうになるのをなんとか阻止し。

慌てて目の前の黒板を見ると、講師が物凄いスピードで黒板を消しているところだった。

あっ、待って!待ってくれぇぇぇぇ!!!と必死にノートに、黒板の内容を書き写そうとするがその行為は物凄いスピードで黒板は、綺麗になった。

その光景を見た俺は、あ、終わった・・・。

と、思い今まで握っていたお気に入りのシャーペンを筆箱に戻し。


綺麗になった、黒板をただただ見つめていた。


そして、周りの机から俺と同様に講義を受けていた生徒達が立ち上がったり、友達と楽し気に喋っている声が俺の耳に届いていた。

  

クッ・・!仕方がない。

今日の抗議の内容は諦めよう。

俺は、おもむろに手を組みまるで女神に願いを願うようにどうか、今日の抗議の内容がテストにあまり出ませんよにと願った。


そんなことをしている間に、周りにいたハズの生徒達のほとんどは別の教室に移動したりしたようで、周りには数人の生徒達が居るだけだった。


はぁ・・と、俺は軽く小さくため息をし愛用つのリュックに教科書やプリントなどをしまい机から立ち上がろうとした瞬間。


「あれれ?先輩?」と俺の後ろから誰かが声をかけてきた。


俺は、いきなり声をかけられて少しビックとしたがそれを悟られないようにゆっくりと後ろを振り返るとそこには俺の大学での数少ない知り合い・・・というか後輩。

奏門佳奈が可愛いらしいリュックを背負いながらこちらを見ていた。


「先輩、私と同じ抗議受けてたんですねー」と言いながら奏門は、俺の座っている席に近づいてきた。


「ああ、そうみたいだな・・。」と俺は、素っ気なく言葉を返した。


その反応をみた奏門は、頬を膨らませながら。

「なんですか?その素っ気ない態度は?私、傷ついちゃいますよ?」と、プイと横を向いた。


なんだが、メンドクサイのに絡まれたな・・・。

と、内心思う俺。


と、言うか奏門も俺と同じ抗議を受けてたのか初めて知ったぞ。


と思い、俺は気づいた。


ハッ!もしかしたらと思い俺は席を立ち奏門の方をまじまじと見つめる。


奏門は、俺がまじまじと見つめると少し顔を赤らめながら、

「な、なんですか?先輩?そんなにまじまじと見つめて・・・キモイですよ?」


うるさい!と心の中でツッコミ、俺は奏門に一つの提案をした。


「なあ、奏門・・折り入って頼みがあるんだが・・・。」


「?なんですか?先輩?お金なら貸しませんよ?」と俺から距離をとる。


「いや、ちげーよ」

何?俺、そんな金無いように見えるの?


「ん?じゃあ、なんですか?」と、首を傾げながら聞いてくる奏門。


「悪いんだけどさ、今の抗議の内容写させてくれないか?」と目前で両手を合わせてお願いする俺。


奏門の方をチラッと見るとなにか考えているようで、そして奏門の口元がニヤリと笑い俺にある事を提案をしてきた。


「先輩、良いですよー、仕方ないですねー、但し条件があります。」


「お!マジか!ありがとう、奏門!・・・ん?何?条件・・・?」

「はい、条件です。まさか、タダで私が、一生懸書いたノートを写せるとでも?」

「オイ、まさか・・・金を払えとか言うじゃないだろうな?」と奏門の方を睨む。

「まさか、先輩じゃあるまいし」

いや、そんな事を俺一度もしたことねーよ!と、心の中でツッコミをした。

「じゃあ、なんだ?」と、聞いていみると。


奏門は、フッと言いながら。


おもむろに教室のある一点を指さした、俺はその方向を見てみるとどこにでもあるような時計があった。


そして、時刻は昼12時を過ぎていた。


奏門は、時計を指さしながら「写させてあげても良いですよ?その代わり今日のお昼、学食で奢ってください」とニッコリ笑いながら俺に提案してきたのであった。



俺は、ため息を吐きながらチッ、仕方ないなぁー・・・と、言いつつその提案を受け入れた。


奏門は、やったぁ!とガッツポーズをしていた。めっちゃ嬉しそうな顔してやがるな・・・コイツ。


俺は、リュックをを背負い教室を見るともうすでに俺達以外の生徒は、居なくなっていた。


奏門に、行くぞ。と声をかけ、俺達は学食へと向かったのであった。

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