第6話 アヴェンジャー

 破壊と殲滅を合理的に遂行する殺戮暴風。

 その名は、アベンジャー。


 〜〜〜〜〜〜


 アヴェンジャーのオート照準の電源を入れる。

 ステータスLEDがSBYの青色明滅する。

 ガトリング射出機の駆動音が〈うぃーん〉と徐々に唸り始める。


「“敷島” 隊長指示を送れ」


 一呼吸置いて“敷島” 隊長が89式カービン銃の曳光弾をセミオートで撃ち出す。

 それを測距離儀スコープで覗き“斎藤”に「着弾距離2000メータ送る」と伝える。


「ラジャーセット」“斎藤” が射撃管制盤のキーで距離を打ち込む。

「GO ATATCK」“斎藤” が射撃開始ボタンを押下。

 ステータスLEDが射撃中の赤色に遷移する。


 アヴェンジャーの銃身から〈シュパッ、シュパッ〉と規則正しく射出音が出始める。

 1弾、1弾の破壊力を考えると連射は地獄絵図だろう。

 ガトリング射出機のモーター音も高まる。


 3分経過後に〈キーン〉と制動音を吐きながらガトリング射出機のモータが回転を徐々に弱めて停止する。

 総数二千発の弾丸が吐き出された事になる。

 辺り一面、硝煙に煙る。


 “斎藤” が吠える「待機ゴーレムenemies骸骨兵を殲滅せよ」


 待機“タングステン・ゴーレム”は、〈バウン〉と応答音を発して敵陣へと前進を開始する。

 その眼光はダークブルーから爛々と輝く朱色にと変わっている。

 2000メータの距離も巨大なゴーレムの歩幅だと待つことなく到達する。

 双眼鏡で2人のおっさんはその暴れようを遠望する。

 アヴェンジャーの掃射でほぼ全滅状態の骸骨兵の生き残りが吹き飛ばされ、踏み潰されて微塵も残らない有様。

 石臼で挽かれた穀物のように骸骨兵の居た場所一帯に白い粉だけが遺る。


 〜〜〜〜〜〜


 アヴェンジャーその威力、地獄絵図。

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