第3話 TRPGシナリオのために書かれたお遊び - 資料としての文章および設定と、シナリオ本文中に掲載された詩歌 -

-まえがき-

まずはごめんなさい。

読みづらいのと、長い……( ̄▽ ̄;)


それともうひとつ、

この3話の文章は、二次創作という内容に抵触するかもしれないので、公開後に早々と引き下げることになるかもしれません。(変名を使うか、マスクや伏せ字を使おうかとも考えてみたのですが、対象が多すぎてちょっと断念しました)

この内容、物語については、ゲームのシステム、世界の設定に根差した部分を参照、多用して作られているのですね。←物語のストーリーとしては完全に自分創作物ではありますが、世界としての設定や歴史、著名な人物などはシステム自体に根ざしたものになっております。


1話で書いたものも、別のゲームシステムのシナリオへの情報提供としての文章ではあったのですが、

あれはこのお話と違ってゲームシステムに根差したストーリーにはなっていませんでした。←どんなファンタジーゲームでも転用できそうな作りでしたね。


このお話はハイファンタジー的な作りで、システムと切り離してストーリーを書くことはできないものでした。

物語にはそういう作りになっているものもあるのですね。改めてばらしてみようと試してみてはっきりとわかりました(^_^;)


それでは、以下本文ですm(_ _)m



--------


霧の中に映し出される、幾つもの過去の幻。

魔人は花嫁の手を引いて、血に塗れた過去の扉を開く。

僕たる魔物はこれから起こる惨劇に身を震わせ、

そして…、

魔人が真なる魔となる刻が来る。


キャンペーン『七降りの剣』

副題: -魔族の救済に対する布石-

第一章、『狂える魔人』


神々の思惑の中で、魔人は少女を憎み、

そして、それ以上に愛していた。


◇◇◇


最終夜、「物語の発端」


 -物語の背景-


-『時の英雄像より』-

 執政フィキタスがスィーラの守護のひとつを解放し、デュラ遠征軍を崩壊させたことは歴史に記された通りである。

だが遠征軍が瓦解したとはいえ、都市などに駐留していた残党達、-特に軍の構成の中で一番多かった鬼族-の陥落させた都市町村に対する力は強く、〈大混乱期〉の後のストラディウム再興を皮切りに、それぞれの国々が建つ〈四王国時代〉までには200年にも及ぶ歳月がかかっている。

 この200年間、人々を悪鬼どもの手から解放しようと反乱を起こした人物は少なくない。

だがその大多数が大きな組織として成り立つ前に叩き潰され、内部から崩れ、歴史に名を残す事のできた者はその中のほんの一握りだけである。

そして彼も、そんな風に歴史に名を残し、虐げられた人々に英雄として語られた者の一人であった。


 今から400年ほど前、彼はローダニゾンの人民解放組織の中の戦士の子として生まれた。

彼の父親は実力者であったが、人として敬わられるような性格の持ち主ではなく、むしろ組織の中では彼に対して親しくするよりも疎んじる者のほうがはるかに多かったようだ。

彼の父親はそういった組織の頂点として立つ程にはその器が小さすぎ、そして組織が彼に対して与える地位以上にその野心が強すぎた。

そして彼の立場が組織の中で孤立したものに成れば成る程、彼の父親の野心は大きく膨れ上がっていったようだ。


 この後起こった出来事については想像に難くはない。

組織の中にいたある人物の手記にはこう書かれている。


-あの時、あの呪われるべきヴィスが彼の舞台を動かしていたなら、或いはこの街を救うことが出来たかも知れない。

あの男はなぜあんなことができたのだ!!、この街や人を、醜い、蛆虫にも劣る鬼どもが荒らし回る手助けを、自分の欲望のために行うなど許されることではない。

 (中略)

あの男には妻と息子がいたそうだが、連れてはいかなかったらしい。残されるものの気持ちなど考えられないのだろうか。

それとも噂のように、デュール教徒の女と共に忌まわしきデュラに寝返ったのか……。

もしそうなら、その事だけでもあの男は呪われるべきだ-



 この手記に書かれるように、彼は大規模な反抗計画が行われる寸前に彼の父親は部下と共に離反し、デュラへと投降している。

このことにより組織は、計画を病むなく放棄する事になったのだが、戦いに先走った幾つかの部隊は駐屯軍によって完膚無きまでに叩き潰されている。

 また、その事が家族にとって良い事かどうかは判らないが、家族はこの後にこの街を追放されている。この時、(息子である)ラハスはまだ6才だった。


 その後、彼と母親がどういった経緯を辿ったかは判らない。

けれども十数年後、成長した彼はこの街を訪れている。その時には母親とではなく、傭兵らしき一団と一緒だった。

そして彼はここから父親への復讐の旅を始めている。彼が19歳の時のことである。

 ラハスの父親はデュラに反逆した村や街を襲うために多くの軍勢を率いて、ギュノロンそしてドゥーロンを暗躍していた。

そしてそれ故に、彼は幾つもの村や街の解放に手を貸し、そして今は無き城塞フレンへと腰を落ち着け、父親を迎え撃ったのだった。


 -中略-


 彼はここで父親を討ち果たしたが、フレンを炎の中に失いその姿を消している。

このとき彼は父親と刺し違えたとも、父親を討ち果たしたことであっさりとその剣を捨てたとも、この後も人々を解放するために手を貸したとも言われているが、すべては時の忘却の彼方である。

 彼は人を引き付けるような、それでいてどこかしら張りつめた、人を疲れされる雰囲気を持った人物だったそうだ。



◇◇◇


-ラハスの思い出より-

 彼は母親と小さな村に身を寄せていた。

そしてそこでひっそりとした生活を始めた。

決して幸せな日々だったわけではない。

けれども、細やかな安らぎではあった。

時に溶け込んでしまいそうな穏やかな暮らし。

けれどもそれが破られる日は来る。

母親の突然の死として。

 事故だった。けれどもまだ幼い彼にとってみれば、大きすぎる、あまりに理不尽な出来事。

彼は支えを失っていた。それを怒りに求めるしか術を持たず、その全ての怒りを憎悪を、父親に対して求めることでかろうじて自分を支えていた。

母親の死んだ次の夜、彼は村を抜け出した。

 細やかな暮らしを得た数年の日々を胸に、手負いの獣は歩き出した。

それは彼が11の夜。


 父親は村や街に牙を向け、彼はそれを追う。

そして彼のまわりに人が集う。

彼らは村に巣喰う鬼どもを殺し、立ち上がらんとする街に手を貸し、悪しき支配者を討った。

彼は自らのために。

そして仲間はまたそれぞれの理由のために。

彼には父親対する復讐しかなかった。

フレンでその女性に出逢うまでは。

 その女性の名はエミリアと言った。

彼が彼女への気持ちに気づいたのは、フレンを離れてからだった。

次第に大きくなる存在に彼は戸惑い、そして父親を憎む気持ちは彼を責め苛んだ。

ある時、彼はフレンの街が敵軍の攻撃を受けているという噂を聞いた。「このまま攻撃が続いたなら持たないだろう」と。

彼は悩んだ。フレンへ戻るべきかどうか、自分にとっては何が大事かという事で。

そして彼はフレンへと戻って行った。

 彼は初めて傷付けるためではなく、護るためにその剣を使い始めた。

そして、彼らは次第に街に無くてはならない者達になっていった。

手負いの獣は安らぎを見いだした。

それは長くは続かなかったが。

 彼は怖かった。

手にしたものが崩れたことを覚えていたから。

彼女にこの気持ちを告げるべきか。

その時、フレンには多くの鬼どもが攻め寄せて来ようとしていた。


 フレンに攻め寄せて来たのは彼の父親だった。

そして彼は街の人々のために、すでに必要としなくなった復讐すべき相手と相まみえた。

苦闘の末、彼は父親を討った。

彼は望んでいた筈のものの一つを手に入れた。もう一つの、それよりも大事なものを失うことによって。

 彼は見る影もなく破壊されたフレンを望む丘にエミリアの亡骸を葬った。そして自らの想いを打ち明けることなく何もかもを失った彼は、全てを呪いながらその命を絶ったのだ。

 転生の時、彼はマウ・レの元へと導かれ、そしてその関心を引くことになった。

彼は魔族-それも名在る者-として生まれ変わることになった。それも魔神と呼ばれるほどの力を持って。

 だが彼は、名在る者として完全なる存在とは成っては居なかった。

彼はエミリアに対する心を残している為に、このユルセルーム世界と繋がったままの存在となってしまっていた。

 そして、エミリアの事を夢に見ながら眠り続けるラハスに、"骨の商人"グドルは新しい駒としての役割を与えて、

新しい『ゲーム』を、"死霊の王"バルバイと共に始めようとしていた。



◇◇◇


魔族ウェーレらの思惑-


-"骨の商人"グドル-

 人であるラハスを絶望の縁に追い込むことにより、転生で魔族の側に引き摺り込むのが彼、グドルの計画だった。そして七振りの『魔剣』と共に、魔神ラハスをユルセルームに放り込み、大陸に混乱と破壊をもたらすのがグドルの偉大な『ゲーム』であった。

 その為に彼は配下のサティンを使い、子供のなかったヴィス夫妻にラハスを預け、養父を裏切り者に仕立て、事故を装い養母を殺し、ギ・ヴスから受け取った魔剣『ルァ・スフィル』をラハスへと渡し、復讐の成功と、そして心の拠り所であったエミリアを彼から失わせることによって、彼に自らの死を遂げさせた。

ただ誤算であったのは魔族と化した"狂える魔神"ラハスが、エミリアを求めて眠りについてしまったことで、ラハスが人に転生したエミリアを見つけるまでの数百年の間、彼のゲームは棚上げされていた。

 そしてサティンが、エミリアの転生した女性であるエナを発見した今、グドルはラハスをまどろみの中から引き戻し、再び『ゲーム』を始めたのである。

グドルは転生した彼女エナが魔族のラハスの手に入る寸前で裏切るように仕向ける為、エナへエミリアの記憶を植え付けるときに、同時にサティンによって彼女を支配することを計画していた。



-"死霊の王"バルバイ-

 バルバイの望みは幽魔世界の拡大であり、自らの配下の魔族を増やすことを望んでいた。(物語の中でギャサール等の調べていた、『人が魔族化する事件』は、この計画の『魔族の救済に対する布石』がその一角を担っている)

 ラハスを自らの配下にする為、或いはその力を奪う為に、バルバイはグドルと盟約を結びながらも、別の計画、配下のテ・ステンを使い、バルバイの狂信的な信徒である、"幽魔の僕"デュン・カーを魔族化させて、完全な魔族でないラハスの力を奪う、手に入れる計画を立てていた。



-"盲目の鍛治師"ギ・ヴス-

 ギ・ヴスは彼の造った『魔剣』を、より完全なものにするために、グドル等の『ゲーム』に付き合っている。

彼が望むのはひとつ。完全な、ただ一つの剣を創ることであり、それに最も近い力を得た『七振りの剣』の力の全てを手に入れる為に、グドル等に彼の『魔剣』を貸し与えている。(ラハスが完全な魔族と成った時、剣に秘められた力は解放されるだろうと、グドルによって告げられているからである)

 ギ・ヴスの真実の姿はユルセルームにおいて知られてはいないが、彼によって造られた魔剣『ルァ・スフィル』の語る言葉が真実であるなら、『十の瞳を持つ盲目のもの』というのが最も近いそうである。

彼の十の瞳のうちの七つは、常に『七振りの剣』を見詰めていると言われている。



◇◇◇


神々エス=レの思惑-


-マウ・レ(混じり合う万色のもの)-

 マウ・レはラハスを完全な魔族として覚醒させたいと思っている。

そのためにラハス自らがエミリアとの記憶に見切りを付け、完全なる者に成ってくれることを望んでいる。



-"蒼海の"アウル(青きもの)、"賢き"イーヴォ(白きもの)-

 アウルおよびイーヴォは、エミリアが無意味に魔族の手に掛かって殺されるのを妨げたいと願っている。



-"幽かなる"メディート(緑なるもの)-

 メディートは自らの治める死の定めに干渉して、ラハスをマウ・レの元へと運んだサティンら魔族を快く思っていない。



-"力の"デュール(黒きもの)-

 デュールは自らの加護下にあった-自らの分身ともいうべき-者が、その手より離れようとしているのを好ましく思ってはいない。



◇◇◇


-物語の結果によるキャラクターの変化-


 ラハスが自らの魔族としての生を絶った場合は、マウ・レの加護を0、デュールの加護を+20する。この際には、受けていたダメージは全快(身体の永久的損失すら再生)する。

 この事件を影で操っていたテ・ステン、サティンを殺したものは、メディートの加護を+5する。

 エナが死んだ場合は、アウル、イーヴォの加護を-1する。

彼女が救われた場合、アウル、イーヴォの加護を+1して、『白』と『青』のマジックイメージを得る。

 ラハスを殺した場合は、マウ・レの加護を+1する。

彼を逃げるに任せた場合、マウ・レの加護を+3して、『混じり合う全ての色』のマジックイメージを得る。(この際の自我へのダメージは無視する)

 物語中で、生き物を一度も傷付けようとしなかった者は、イーヴォの加護を+2して、『白』のマジックイメージを得る。




To be continued 第一夜、「狂える魔人」


-物語の始まり- へ続く。


◇◇◇


(本編シナリオ部分は省略)



◇◇◇


※ ギ・ヴスおよび『七振りの剣』は当キャンペーンのための創作物。

それ以外の設定部分は、基本的に『ビヨンド・ローズtoロード』システムへ準拠。

以下、創作部分の捕捉設定。



-捕捉- (『七振りの剣』の設定)


『知られざる古の子ら』について

 スィーラ(守護神)のイーヴォ、デュール、オザン、アウル、ザリ、ガルパニ、メディートら七柱と、マウ・レの二柱が未だまどろみの中にあった頃、彼らはスィーラの夢から生まれたと言われています。

彼らはスィーラが目覚めるよりも早く覚醒して、その時未だ名前の無かった、言うにはばかられる大陸において、生命の創造を始めたと言われ、ハヴァエルの歌声によって目覚めたスィーラがそれに気づいた時には、彼らは既にそこへ多くの生命を誕生させていました。

 それらは、

闇を司る『レギオン』

光を司る『ザドゥ』

大地を司る『イグ』

水を司る『ゼド』

風を司る『ニア』

魂を司る『リェン』

そして全てを統括する『エリオン』

その七つで、

スィーラが興味を持ち見守る中で、それらは幾つかの創造を繰り返した後に、二派に別れて争い始めたといいます。

 そしてその争いは大陸全土を巻き込む戦争へと拡大して、片方が打ち負かされて戦が終わったとき、大陸は荒廃し、ほとんどの命が死に絶えた後でした。

このときの敗北側だった二者のうち、イグは戦の最中に死に、戦いの首謀者だったレギオンは、その力を七つに分けて封印され、闇の神殿へと幽閉されたと言われています。


 スィーラはこの後に彼らと邂逅したと言われており、大陸の生き延びた命と、彼らをユルセルームへと導いたのだそうです。

そして、この言うにはばかられる大陸には幽閉されたレギオンだけが残り、ユルセルームへと旅立った彼らは、その身をスィーラのための武具へと姿を変えたとされています。



"盲目の鍛治師"ギ・ヴスについて

 魔族である彼がレギオンの封印されている力に気付いたのは、ユルセルームでの大戦が起こる前でした。

彼は嬉々として、その巧みな鍛治の技で、封印されていたレギオンの強大な力を自らの剣に封じ込めていったそうです。

 そして七振りの剣が出来上がったとき、ギ・ヴスは剣の力を確かめる為にユルセルームへとその剣をばらまきました。

 また、ギ・ヴスが七つの力の封印を解いたときには、幽閉されていたレギオンはグドルの手で運び去られた後だったといいます。



結社としての『七振りの剣』について

 スィーラ古聖教、秘文に殴り書かれたという、

-七つの力集めよ、世界の破滅救う。七振りの剣集めよ、その強大な力もて魔王退けるなり。-

という啓示の言葉により、"白髭の"ギャサール等によって作られた組織。

 主な目的は魔族のユルセルーム介入の阻止であり、そのための剣の探索が目的の第一であるが、

それ以外にも、不可思議な事件の解決や、村などを脅かす魔物、怪物、盗賊団等の退治なども行う。

要は明確な目的をもつ冒険者団体である。




--------



シナリオ本編については以上ですね。

名前だけで語られない人物、魔物なども出てきておりますけれども、

ご笑納頂けると良いのですが(^_^;)


これで分量でいうと、全体26ページの4ページ分位ですね。

それでも書き写してみたらだいぶ膨大なものでした。(シナリオですからストーリーとしたら骨組みです(^ω^) これをもし小説に仕立てるなら倍ということはないでしょう。たぶんもっとです)


これを拙作のTRPGセッションの小説としてやる計画も当初はあったのでした。

あまりに長く内容が濃すぎたので断念したという笑い話もあります(苦笑)


あとは、以下にシナリオ中に書いていた詩を抜き出して掲載してあります。

良ければ見てみてくださいませ("⌒∇⌒")



--------


―付録―

本編シナリオに掲載した、自作の詩歌です。

シナリオの味付けに創作したものですね。


省略したシナリオの雰囲気を少しでも味わえるのなら良いのですけど(^_^;)




 -エナ(ヒロイン)の口ずさんでいた歌-

※ このシナリオの中で、そういう設定として、情報をゲームシステムの世界設定よりイメージを引き出して、登場させたキャラの情報を加味して書いたものでした。



-古歌(恋歌)-

人の心は闇なれど貴方は遥かな灯

私は貴方を思い歩み続けよう

その道が苦しき道であろうとも



-浜道の歌-

主亡き浜道を

波は歌い風は踊る

人が行き去ろうとも

それは変わらぬ神の歌声



-森の歌-

鳥は歌い愛を囁き

木々はざわめきを繰り返す

水は清く岸を洗い

陽は美しく森を彩る

緑深き森は我が魂の帰る所



-月の精(神)に捧げる歌-

星落つるほどの天空あまそら

瞬く星影

輝ける月そして緑なす森

今宵はが為の夜


木立の中を吹く風と

泉に移る月の影

岸辺に座る我が前に

みどりなる月のが瞳……




 -酒場『セイルーンの歌声亭』での歌姫の歌-

※ これはシナリオ中のシーンで歌われていたとしたものとして書いたものですが、ちょっと危ういものです。

過去にプレイしたセッションの内容を、歌詞として再構成したものとして創作したのですね。ですから歌詞の内容はゲーム仲間がプレイした流れや、シナリオの設定を含めた物語自体が書かれているのですね。←危ういのは語られている内容が、このゲームシステムに付属していた既成のシナリオであることです( ̄▽ ̄;) 書いた目的はあったのですね。自分の自作のシナリオに、既成シナリオの内容を書いた理由は、読んでもらう、興味を持ちこの薄い本を購入してくれる人、ゲームマスターとしてプレイしてくれる人ならば、この既成のシナリオは必ずプレイしていると思い、ウケというか楽しんでもらえるサービスのような感覚で当時は書いたのですね(^_^;) でもまあ、こういったものは抵触事案でもあります。パロディとしてはあの場では許されたとしても、ここではかなり危ういのです(;´д`)



-ミレアの(島の)勇者の歌-

"黒き心臓の"サイアはアガルッドの片腕

見目麗しき魔女は悪しき海の精なり

小さき貝のごとき唇が紡ぐは邪なる囁き

深き海のごとき瞳が映すはは人々の苦しむ様

優しき笑みに潜むは凍てつきし魂

全てを焼き焦がすほどの野心を秘め

死と破壊の中でその身を美しく輝かせたり


"黒き島主"アガルッドのもと

人々の苦しみの上でヒュノーは栄えたり

幼き島主たる"静かの君"グンド

自らの兵を率いて海賊の島へ

そして"魔大島"ヒュノーを討ち滅ぼしたり

サイアはヒュノーを去りミレアの島へ

『デュールの玩具おもちゃ箱』を用いて『黒き塔』を築きたり


"黒き小箱"の力にて魔女は不死となり

島を滅ぼすために黒龍を呼び出したり

雷の剣を持てし英雄ディレ

激しい戦いを繰り返しのち

"不死の黒龍"アグバを倒したり

サイアは迷宮深く閉じ籠り

そして魔女は自らの敵を呼び出したり


"黒き心臓の"勇者は立ち

魔女の迷宮を抜け出したり

虜となりし英雄ディレの骸を挫き

勇者は黒龍の墓所より黒き塔へ

闘い数々の魔物を退け

虜になりし魂を黒き小箱より解き放ちたり

邪悪の使徒は滅びついに黒塔は崩れん


"黒き心臓の"サイアは滅びたり

血は血によりあがなわれり

魔女サイアたるオーレアは黒龍の炎にて焼かれ

英雄ディレはサイアの手の中で滅びぬ

黒き勇者は全てを正し薄暗がりの闇へ

その娘アウレアは英雄ディレの骨と共に

魔の都の闇の中に埋もれたり

全ての者は闇の中へ消えたり




 -エナの歌(シナリオ情報のための戦歌)-

※ これは、このシナリオの設定としての過去の物語を歌詞として書いたものです。なぜ歌詞の形で書いたかというと、書きたかったからでした(^_^;)

当時、ファンタジー小説にハマっていた自分は、叙事詩的なファンタジー小説など、ハイファンタジーの物語に書かれている挿入歌のようなものに興味を持っていて、自作のシナリオに自作の詩歌を入れてみたのでした。


ここに掲載した自作の歌詞の形態などは、当時見ていた水野良先生の『ロードス島戦記』やあしべゆうほ先生の『風の呪歌ガルドル』、トールキン大先生の『ホビットの冒険』などからの影響が強いですね。

なんとなく透けて見えるようです( ̄▽ ̄;)




-勇者の歌(古歌)-

暗黒の希望無き時九人は降り立てり

その手には剣と杖と希望と幾許いくばくかの悲しみを持ちて

それぞれの思いを秘め何処いずこかの地より



歌姫は慈悲の心を持ちて帰らずの森より

唄う剣と人々を導く声と

何よりも輝くほどの笑顔と共に


金の貴公子は歌姫と共に

輝く鎧と剣を掲げ

気高き心と炎のごとき愛を胸に


双子の盗賊は野心を胸に

知恵と惑わしの技と策略を使い

慈悲無き心に仮面を着けて


青の魔道士は青き衣を着けて

衣に記された言葉と共に

憂いを秘めて浜道より来たる


剣の覇者は北より来たる

手には剣と死への誘いと

冷たき瞳と温かき心を持ちて


白髭の賢者は錫杖を持ちて

気難しき顔をして歩み来たり

白き守護者の祭壇より


斧持つ小人は偉大なる岩屋より

笑いとそして希望を連れて

麦酒エールと髭と勇敢さと共に


氷の髪の竜人は剣と共に

優しき笑顔に隠された

慈悲無き死すべき運命さだめを胸に



九人の勇者はそれぞれの思いを胸に

戦いそして何処いずこへと去る

生きて残りし勇者は五人と成りし


其は"歌姫"フェル・ラウム

其は"片翼の"レヴィウェール

其は"青き鳥"イスナ・ア・クウ

其は"白髭の"ギャサール

其は"銀目竜"ス・カーァ・ガイミュロイ



※ なお、余談ですがシナリオのお話の重要人物であるラハスは、勇者の歌の人物である、死亡した『剣の覇者』です。

もし生還していたなら、"剣の覇者"ラハスとして名が残っていたのでしょうね。



--------


これで終わりです。

文章中抜きの長々とした文章というわかりづらいものにお付き合いいただき、どうもありがとうございました。

皆さまの、何かしらの創作のネタになるようでしたら良いのですが。

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