第394話 無様に踊れ!!
空気中の水分が蒸発して空気が渇く。
大気が熱せられて周囲の温度が急激に上昇して酸素が燃える!
地面が、大地が赤く染まって沸騰し、至る所で大地が燃えて火が上がる!!
「ふふふ、あはっはっはっは!!」
さっき私が消し飛ばしてやったアナスタシア教の聖地、霊峰ルミエルの名前の元になった槍の名前だっけ?
ふふっ! 神話にも語られる、ご大層な技だったみたいだけど。
一瞬でアナスタシアが放った全長10メートルはある巨大な光の槍を蒸発してやったわ!
「さぁ、人間を愛し、守護する女神様……」
この灼熱の世界は、先日の師弟対決でターニャが使った炎域の上位互換。
煌炎に圧縮されていたエネルギーが解放されて展開された超広範囲の炎域……紅炎世界。
救世の六英雄に五大熾天。
「ふふっ、どうするの?」
「っ! こんなもの、この空間を私の
まぁ、そうなるよな!
この灼熱の空間領域は、最初に私が雷霆で消し飛ばした範囲全域。
さらに、この炎は大気中の水分はもちろん酸素や大地、そして……大気中に存在する魔素すら燃やして蒸発させる!!
この状況で足手纏いのクズ勇者共を守りながら、これだけの範囲に燃え尽きる速度よりも早く自身の魔素を展開して支配下におく。
まっ、並大抵のヤツならまず不可能だけど……
「ふふふ、言ったハズですよ。
確かに貴女の力は強大です、もはや並の神では貴女に太刀打ちすら出来ないでしょう」
仮にもクソ女神は神能にまで至っている神。
この程度は当然できるよな!
「ですが、私は世界の主神!
もう一度言います、あまり私をナメないでください」
おぉ〜、私が展開した紅炎世界を乗っ取ったか。
うんうん! このくらいは軽くやってくれないと面白くないっ!!
「自ら創り出した灼熱の世界に、その身を焼かれなさい」
前後左右に上下!
360度全方位から襲い掛かってくる真っ赤な炎。
「神能」
流石はこの私が神能で創り出した炎だわ。
無防備な状態でコレに焼かれたら、いかに私といえども皮膚は焼け爛れて大怪我は免れない。
そうなったら熱くて痛いだろうなぁ……まぁ、あくまでも無防備な状態で焼かれたらの話!
実際には常時結界を展開して身を守ってるし、
この柔肌がちょっと赤くなっちゃう! そんな事は許されない!!
「凍りつけ……
迫っていた炎が。
燃える大地が。
灼熱の世界が一瞬にして凍りつき、凍てつくような静寂が支配する銀世界へと切り替わる。
「これは……」
ふふん! 驚いてる、驚いてる!!
いやぁ、グランと戦った時の竜巻も良かったけど、燃え盛る炎が凍りついたオブジェも綺麗だわ!
パチンッ!
軽く指を鳴らすと同時に凍り付いていた炎が砕け散り、キラキラとダイヤモンドダストになって最初から何も無かったかのように霧散する。
「ふふ……」
もう一々って神能って言ってやるのも面倒になって来たし。
ぶっちゃけ、クソ女神みたいに言う必要も無い。
クソ女神もナメるなって煩いし、もうここからは言わなくて良いや。
「滅球」
ホーリーを一箇所に留めて質量を持たせた……かつて、ファルニクスですら正面から受け止めずに避ける事に専念していた全てを消し去る白い光球!
しかも、この滅球はファルニクスの時のモノとはわけが違う。
なにせ神能を……創滅ノ神の権能を使って発動してるわけだからな!
そんな滅球が全部で20個!!
「さぁ、踊れ!」
「こんなモノ……っ!?」
クソ女神が展開した結界に何の抵抗もなく一瞬で穴が空いて砕け散る。
「ふふふ」
縦横無尽に舞う滅球がクソ女神の頬を、腕を、太腿を掠める!
「あはっ!」
さぁ、避けろ! 必死に踊れ!!
ほら、気を抜くと……
「ッ!!」
掠っただけならまだしも、滅球に触れると幾らお前が全力で防御していようとも関係ない。
いくら回復できるとはいえ、今みたいに簡単に腕が消し飛ぶから気を付けないと!
「あはははははっ!!」
その腕を! 足を! 身体を消しとばされたくなかったら、必死になって無様に転げ回りながら避けるが良いっ!!
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