第335話 裸の付き合い!

「ふぃ〜」


 もう、最高に気持ちいい。

 流石は我がお城の大浴場! 我ながら手を掛けて作り上げただけはある。


 そして! 私の専属メイド長たるシルヴィアによるマッサージ!!

 素晴らしい。

 極楽極楽〜、もう寝落ちしちゃいそうだわ〜。


『それで、これはどう言う状況なの?』


「……」


 お前さぁ。

 せっかく、シルヴィアにマッサージして貰って良い気分だったんだから邪魔しないでくれる?


『あはは、流石は悪魔ちゃん。

 この私に向かって邪魔とハッキリ言い切るとはね』


 てか、お前は何をナチュラルに見てんの?

 ここが何処かわかってる? お風呂場! お城にある大浴場だぞ!!

 お前は変態か! この覗き魔めっ!!


『酷い言われようだね。

 まぁ、悪魔ちゃんの生活を観るのが最近の日課だから覗き魔って言うのは間違ってないけど』


 いけしゃあしゃあと……!

 どれだけ厳重に結界を展開しても、何も無かったみたいに当然のように突破されるし。


 こっちを覗いてるリンクを伝って軽い攻撃をする事はできても場所までは特定できないから邪神が何処にいるのかすらわからない。

 コレが法で裁けない悪か……


『けどまぁ、安心しなよ。

 私が悪魔ちゃんを見て興奮する事は無いからね』


 な、なんだと?

 そ、そそそそれは! 私がお子様ボディだって事かっ!?


『いや、そうだけど、そうじゃ無くて……』


 くっ、何たる屈辱。

 アホ邪神め……この私を侮辱した罪、赦さないぞ!

 ふ、ふふふ、よろしい! お前がその気ならやってやるわ!


「戦争……わっ」


「はい、ではお湯に浸かりましょう」


 むっ、シルヴィア。

 突然抱っこしないで欲しい、ちょっとビックリしちゃったじゃん。


「レフィーお嬢様、邪神様との戦争はお控えくださいませ」


「なんで?」


 あのバカは私の事をお子様ボディだと!

 女として魅力のない子供だと侮辱したんだぞ! これを赦してなるものか……!!


「今は人間達との戦争中です。

 人間達は取るに足らない存在ですが、邪神様と戦うのであれば二正面作戦は得策ではありません」


「むっ」


 確かに、それはそうだ。

 認めるのは非常に癪だし、悔しいけど邪神は邪神なだけあって強いからな。

 ファルニクスによると、竜神であるファルニクスよりも強いらしいし。


「仕方ない」


 命拾いしたな、邪神。

 お前をボコるのはまた今度にしてやる。


『ファルニクスに一度も勝てた事がない悪魔ちゃんが、どうやって私をボコるのかはともかく……』


 が、罰は今受けてもらうっ!


「天誅」


『ちょっ! これは流石に危な……』


 ふっ、これでやっと静かになったし。

 落ち着いて湯船に浸かるとしよう!


「ふぅ〜」


 あぁ〜、シルヴィアのマッサージも最高だけど。

 湯船に浸かるのも気持ちいい。

 何故かシルヴィアに抱っこされたままだけど……まぁ、いつもの事だし細かい事は別にいいや。


「ふむ」


 しかし、壮観だな。

 シルヴィアを始めミーシャにミリア、リリィーにアリー。

 ノワールにレヴィアとベルと、眷属と七魔公の女性陣。


 皆んなみんな一糸纏わなぬ姿で、和気藹々と穏やかな表情でお風呂に入ってるからとてもそうは見えないけど。

 ぶっちゃけ、ここにいる女性陣だけで人間共を滅ぼせる程の大戦力だもんなぁ。

 そして……


「落ち着いた?」


「は、はい。

 先程は取り乱して、お恥ずかしい所をお見せしてしまい申し訳ありませんでした」


 クソ女神アナスタシア麾下の5翼の熾天使。

 五大熾天が一翼から、堕天して堕天使になったペトロ。


「そう」


 まぁ、落ち着いてくれたなら何より。

 流石にずっとあの状態でいられたら居た堪れないし。


「あの……図々しいのは百も承知ですが。

 1つ私の願いを聞いては頂けないでしょうか?」


 まぁ、余興で実験の一環として堕天させちゃったし。


「なに?」


「どうか、この愚かな私めを貴女様の配下の末席にお加ください」


「わかった」


「へっ?」


 改まって言うから何事かと思えばそんな事か。


「ペトロ。

 お前は今後アナスタシアじゃ無くて、私に仕える」


 お風呂での裸の付き合いで警戒を解いてから誘おうと思ってたけど、手間が省けた!

 ふふふっ、例えペトロが願わなくても、嫌だと嘆こうとも、これは決定事項なのだ!!

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